介護タクシーコラム

認知症カフェ「ラウレア」（東京都江東区）

公開日 2017/06/29 更新日 2022/07/31 ptoc002_wp お出かけ

東京都江東区にある「住吉」という駅から徒歩5分ほどの場所にライフコミュニティカフェ「BLUE OCEAN CAFE」はあります。こちらのカフェ、毎月第2水曜日は認知症カフェ「ラウレア」として営業しています。少し前から話題になっている認知症カフェについて、訪問していろいろ聞いてみました。

（追記）2022年6月末を以てBLUE OCEAN CAFEは営業を終了しました。

目　次

1 地域の人に気軽に利用してもらいたくて
2 この日は介護食メニューの試食会を実施
3 活動を通じて多くの方がつながる場所に
4 より地域に密着したサービスを目指して

地域の人に気軽に利用してもらいたくて

海の雰囲気満載の外観・内観

ブルーの扉、扉の上には舵、入り口には流木（？）・浮輪・ビン玉とまさに海づくし。店員さんはみんなアロハ、店内も大き名モニターに浜辺の映像が映し出されています。明るくお洒落な雰囲気です。それもそのはず、BLUE OCEAN CAFEを運営するのは船会社のハウスボートクラブ。パーティークルーズや海洋散骨など海に関することをいろいろとやっている会社だそうで。

ブルオーシャンカフェ開店1年後の決断

「カフェをオープンして1年が過ぎた頃、地域の人にもっと気軽に利用してもらいたいと思い認知症カフェをはじめました。認知症カフェについては本を見て知りました。“探していたのはこれだ！”と思いスタートを決めました。補助金が出るというのも決断の後押しになりましたね。」と話す代表の村田ますみさん。カフェ店舗を利用した認知症カフェの運営は全国的にも珍しいそうです。

この日は介護食メニューの試食会を実施

10:00～16:00で好きな時間に

この日のラウレアは介護食の試食会を実施していました。見た目にそれと分からない、食べると柔らかい、思った以上に美味しくてボリュームがある。実際に食べてみて驚きました。ラウレアの営業時間は10:00～16:00なので、時間内であれば好きな時間に来ることができます。この日も何組か出たり入ったり、自由な感じがいいですね。

お年寄り以外に、管理栄養士・健康運動指導士の方や、訪問歯科のコーディネーターの方など、今回の内容に興味を持った専門職の方が来店されているのも興味深いところでした。介護関連の情報発信源としての役割も持っているんですね。セミナーや勉強会とは違った、現場レベルの活きた情報を得る貴重な機会になります。

活動を通じて多くの方がつながる場所に

ラウレアの活動内容はさまざま

ラウレアでは、認知症カフェ開業に必要な「認知症についての相談ができる資格のあるスタッフが所属していて、地域包括センターと連携ができている。」というのはもちろんのこと、認知症サポーター養成講座や介護予防体操などさまざまな活動をしていて、なかでも人気なのは「うたごえ喫茶」だそうです。やっぱり人間にとって歌は特別なんですね。あとは最近の試みとして「VR認知症体験」が人気のようです。

独居の方のお出かけ先に

介護についての相談が気軽にできる場所、介護系専門職の方と情報交換ができる場所として多くの方々がつながるラウレア。村田さんは地域の方、特に独居のお年寄りに来店して欲しいといっていました。自宅で外出を敬遠しがちなひとり暮らしのお年寄りが気軽に出かけられれば、新たな交流、認知症予防、介護予防にもつながり、地域のコミュニティとしてお互いの見守りにも役立ちます。

より地域に密着したサービスを目指して

新しいサービスを検討

「認知されていない部分もあり、集客が芳しくありません。また運営はボランティアスタッフ頼みになっているので何とか改善したいですね。」と話す村田さん。今後は認知症カフェとしてだけでなく、要支援者向けの新しい総合事業の通所型サービス（通所型サービスB）の開始を検討しているそうです。地域の方の交流の場、憩いの場として貢献していきたい、という強い思いを感じました。頑張ってほしいです。