ドライバーインタビュー
京都エスコート 飯田さん

紅葉がまだ美しい12月の京都・今宮神社。飯田さんにセレクトしていただいた場所がこちらでした。今回は介護旅行を得意とする京都エスコートの代表 飯田さんにお会いしてきました。1,000年創業、日本最古のお店と言われる一文字屋和輔で「あぶり餅」をいただきながら京都バリアフリー観光・介護旅行についてお話を伺いました。
目 次
こんなことをするために生まれてきたんじゃない!
飯田さんは前職では外国車の販売会社に勤められていたということですが、介護タクシーの開業という道を選ばれた理由を教えていただけますか?
長年勤めていると役職も上がっていき、現場に立てなくなってきます。デスクワークや計算ばかりの仕事は自分に向いてなくて…。「自分はこんなことをするために生れてきたんじゃない!もっと人とかかわる仕事がしたい。」と思うようになり、スパッと会社を退職しました。


え!?次の仕事を考えずに会社を辞めちゃたんですか??
いろいろ考えると辞められないじゃないですか。だから何も考えず、とりあえず辞めてしまおうと(笑)。そのあとにじっくり考えて「人に喜んでもらえて、食べていける仕事」を条件に検討した結果、資格と許可が必要な介護タクシーの開業を決めました。
京都バリアフリー観光のプロフェッショナル
京都エスコートのセールスポイントを教えてください。
バリアフリー観光においては京都一を自負しています。もちろん京都生まれということもありますが、それだけじゃ分からない知識であったり、車いすで通るためのルートであったり、今でも定期的に勉強しています。

今日もとても雰囲気の良い場所に連れてきていただき、有難うございます(笑)
同じ京都の名所でもちょっと知っていると楽しくなることってたくさんあるんです。ただ通り過ぎるだけじゃもったいない。京都の楽しさを知ってもらい、京都を好きになってまた来てもらいたいんです。
やはり京都エスコートのお客様は観光利用の方が多いのでしょうか?
京都観光は年間で60~70件くらいです。その他は地元のお客様の食事や買い物、お墓参りや日帰りの小旅行、1泊旅行などの利用が多いです。もちろん定期の通院・通所もありますが、どちらかというと京都エスコートは「お出かけ系」介護タクシーです。


観光の依頼と定期の移送が重なった時は、地域の事業者に手伝ってもらうなどして予約の調整をしています。安心して依頼ができる同業者が近くにいるのは心強いです。
事前準備や下調べ・調査は十二分に
バリアフリー観光がセールスポイントなので、お客様の利用体験向上には気を配られていると思います。具体的にどんなところに気をつけていますか?
先ほどお話しした通り観光ガイドの勉強やルートの下見、同行するご家族とメールや電話でのやり取りに気を配っています。せっかく京都に来たのに行きたいところへ行けない、想像していた旅行と違う、という結果になるのは申し訳ないので、いつも事前準備や下調べ、調査は十二分に行うことを心がけています。

あとはお客様のお疲れ度合いに応じて臨機応変にスケジュールを変更することです。お身体に無理のないよう、また次も京都に来ていただけるように十分気をつけています。設備面では車いす用の雨除けやシャワーチェアを用意して、必要な時に無料で貸し出しています。
シャワーチェアまで用意しているんですね!驚きました。
料金以上の評価をいただくことが一番うれしい
たくさんのお礼のお手紙を持ってきていただき、有難うございます。どれも達筆ですね。
「お母さんを長年の夢だった京都にやっと連れて来れた。」と言ってとても喜んでくださった娘さんからのお手紙もあります。残念ですがお母様がお亡くなりになられたというご報告も兼ねてのご連絡でした。
(お礼の手紙を見ながら)この方もお父様の告別式で京都・奈良旅行の写真を配ることができたという内容のお手紙ですね。
介護タクシーという仕事をしている以上、仕方のないことなのですが、私はいつも「この方にとって最期のご旅行になるかも知れない。」と思ってお客様に接しています。だから手抜きは一切できない。そういう思いでご案内した結果、この手紙のように料金以上の評価をしていただけることが何より一番嬉しいんです。
介護旅行は生きるモチベーションを上げる
写真も撮られているんですね。みなさん喜ばれるんじゃないですか?
はい。喜んで頂いてます。フォトブックにして差し上げたり、LINEで送ったり、SNSやメール以外の方にはUSBメモリで差し上げています。私が何十回と足を運んでいる場所でも、お客様にとっては初めての場所。自分も一緒に楽しみながら写真を撮ることで、いつも新鮮な気持ちでいられるんです。


では最後に京都エスコートを検討されている方へメッセージをお願いします。
インタビューをご覧の方、ぜひ京都にお越しください。介護旅行の最初のハードルは「行けるかな…」「トイレは大丈夫かな…」「迷惑かけないかな…」という不安です。でもそれを乗り越えることができたら大きな自信に変わります。
うまくすると「また行きたい」「別の場所にも行ってみたい」という気持ちになるかも知れません。つらい闘病やリハビリの時期でも、頑張ればまた旅行に行ける。遠くに住む子どもや孫に会える。日々の生活に目標が生まれて「がんばろう」という気持ちになれるんです。だからぜひ一度京都に来てください。お待ちしています。

インタビューの後、飯田さんに今宮神社を案内していただきました。「玉の輿」由来の神社、修学旅行では来なかったなぁ…(たぶん)。飯田さんはとにかくお話がうまくて、聞き入ってしまう魅力のある方でした。言葉の端々に「人が好き」という思いが伝わってくる飯田さんとめぐる京都は、楽しい旅になること間違いなしです。