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介護タクシーコラム

ファイト!みんなのこえvol.5 ― COVID-19特別編 ―

お出かけ

みんなのこえvol.5

第2波の感染拡大。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は私たちの暮らしを大きく変えています。感染者、感染の疑いがある方に対する現場対応が自治体、病院によりバラバラな混沌と混乱の中で、介護タクシーは日々頑張っています。

今回の「みんなのこえ」は、COVID-19特別編として、介護タクシー案内所にメールやSNSなどを通じて届いたコロナ対応にまつわる介護タクシー事業者の声を中心にお届けします。

コロナ禍で葛藤する介護タクシー

防護服姿で患者搬送をする医療従事者

介護タクシーはお客様との接触が避けられない。専門的な知識も装備もないので不安。

私たちケアドライバーは介護資格は持っていますが医療・看護の資格は持っていません。持っていたとしてもコロナ患者に接するための専門的な知識も装備も持っていません。一般タクシーと違って私たちはお客様の身体に触れて介助します。感染拡大を抑えることを考えれば、救急車の利用を勧めるべきだと思います。

僕らが運んでいるのは感染したら重症化する方ばかり。

発熱のある方、肺炎の疑いがある症状のある方の移送については基本お断りしています。もしその方がコロナ感染者だった場合、他のお客様を感染させてしまうかも知れない。僕たちが運んでいるお客様は身体の弱い方ばかり。その方たちを危険にさらすようなことはできない。とはいえ移動手段がなく困っている方の依頼をお断りするのは辛いです。

飛沫防止シート
飛沫防止シート
車両に設置した換気扇
車内換気のために換気扇を設置

コロナ患者専門の移送業務に切り替えました。

行政からの要請があり、コロナ患者の移送を担当しています。もちろん感染者ではない方は運ぶことができなくなります。業務手当の支給はありますが、その分感染のリスクが極めて高いので、家族との接触を避けて生活しています。必要な仕事であることは分かっていますが、精神的にとても疲れます・・・。

自主隔離で業務停止状態に。定期通院のお客様へ迷惑をかけてしまい・・・。

病院へ移送した方がコロナ陽性でした。医師から2週間の隔離を指示され、自宅で様子を見ることになりました。その間は依頼を受けることもできす、定期利用のお客様には事情を説明して他の介護タクシーの利用を案内しました。感染の恐怖と2週間収入がゼロになるということの怖さを身を以て経験しました。

医療現場で活動する介護タクシーへの風評被害

3つの感染症はつながっている

日本赤十字社ホームページより

コロナ患者を運んでいる車をここに駐車しないで欲しい。

コロナ患者の搬送を行っています。ただ担当しているのは一部の車両で、他の車両は通常業務を行っています。待機先などで駐車しているうちの車両を見て、近隣の方から「コロナ患者を運んでいる車を駐車するな」といわれることもあります。そういう人がいることは分かっていても、言われると悲しいですね・・・。

●●ちゃんのお父さんお母さんは病気の人を運ぶ仕事してるから、一緒に遊んだらあかんで!

PCR検査に誰かが連れて行ってあげなければ行けないのは分かっています。だけど小学生の娘が「●●ちゃんのお父さんお母さんは病気の人を運ぶ仕事してるから、一緒に遊んだらあかんで!」と友達からも敬遠されているのを知ってから正義感だけで仕事したらダメなんやと思い、なかなかPCR検査の搬送ができません!

新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~

日本赤十字社石川県支部が作成した動画(6分39秒)を紹介します。第3の感染症には人の心で立ち向かっていけば必ず打ち勝てるはずです。

適切なガイドラインと医療現場への周知を

保健所から「介護タクシーを呼んてください」と言われて・・・。

病院からコロナ患者(または感染疑いのある)方の移送依頼が来ます。対応できないことを伝えて「保健所に相談してみてください」と案内したのですが「保健所に相談したら介護タクシーを呼んでください、と言われたんです・・・」という答えが・・・。医療従事者・介護従事者として扱われていない私たちが、依頼を受けてもし感染してしまったら誰が責任を取ってくれるのでしょうか。

PCR検査後の帰宅はタクシーで!?

タクシー乗場の看板

病院からの帰宅を引き受けたところ、コロナの所見がありPCR検査を受けた方でした。このあと別の予約も入っていたので、万が一を考えてお断りしたところ、看護師さんが「じゃあ(一般の)タクシー乗り場で車いすのタクシー(UDタクシー)を探しましょう」と言って、タクシー乗り場に行ってしまいました。

コロナ患者(疑いのある方)に対する病院の対応は様々ですが、看護師がPCR検査後の患者に一般タクシーの利用を勧めるなんて・・・この病院の対応はヒドイと思いました。

コロナ感染者ではないという証明・・・

病院の受付

最後に利用者の声を1つご紹介します。この状況下、私たちは介護タクシーに何を求めるべきなのか、介護タクシーはどう対応するべきなのか。考えていきたいですね。

体温は37.4度でしたが、医師からタクシー会社に移動を許可していると電話してもらいました。それでもタクシー会社はコロナではないという証明を求めてきて、それがないと乗せられない、免許剥奪されると言ったようです。こんなことでは、普通に熱のある病人は介護タクシーを使えません。本当にコロナではないという証明が必要なのですか?

国土交通省作成の「旅客自動車運送事業運輸規則」は、タクシーの運送業務にまつわる決まり事をまとめた公的な資料です。その第一三条(運送の引受けおよび継続の拒絶)の拒否該当事項の中にこんな項目があります。

五 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (平成十年法律第百十四号)に定める一類感染症、二類感染症若しくは指定感染症(同法第七条 の規定に基づき、政令で定めるところにより、同法第十九条 又は第二十条 の規定を準用するものに限る。)の患者(同法第八条 の規定により一類感染症、二類感染症又は指定感染症の患者とみなされる者を含む。)又は新感染症の所見がある者

今回のポイントは、運送の引受け拒絶についての説明が不十分であることに尽きると思います。「コロナでない証明が必要」「引き受けると免許剥奪」という誤った説明でその場をしのごうとするのではなく、法令に基づく判断で引き受けられないと懇切に説明すればよかったのだと思います。

コロナと戦う介護タクシーを応援しよう!

N95マスク

キャンペーンにご賛同・ご署名をお願いします!

介護タクシー案内所では、自治体から医療従事者、介護従事者と変わらぬ業務を行いながら、国や行政からの支援の対象外となっている介護タクシー従事者を支援する目的で、署名サイトchange.orgにて厚生労働省宛てに署名キャンペーンを行っています。

ご賛同いただけるようであれば、ぜひご署名をお願いします。支援金の支払いなどは不要です。ご署名いただくとchange.orgよりメールが届くようになりますが、不要な方はメール末尾にある「change.orgからのEメールをすべて停止する」をクリックしていただくとメール配信が停止されます。

change.org キャンペーンページ


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