ドライバーインタビュー
宮園バス 江戸川営業所 洲崎さん
宮園グループで福祉バス・福祉ハイヤーを運行、民間救急にも対応している東京都江戸川区にある株式会社宮園バス(旧称:宮園福祉) 江戸川営業所を訪問しました。 昭和52年(1977年)から始まった福祉輸送サービスについて、運行課の洲崎主任にお話を伺いました。
2020.7.22追記
宮園福祉は2019年6月27日付で社名を「株式会社宮園福祉」から「宮園バス株式会社」に変更しました。
始まりは身障者のドライバー採用
福祉バス・ハイヤーを始めたきっかけは?
1975年に身障者でも2種免許が取得できるようになり、タクシードライバーとして仕事ができるようになりました。しかし当時は彼らが乗務できるタクシー車両がありませんでした。親会社の宮園自動車は1950年から続くタクシー会社ですが、身障者が乗務できるタクシー車両を製作して、日本初の身障者タクシードライバーを誕生させました。現在も身障者タクシードライバーが元気に乗務しています。
障がい者福祉に対する思いが強いタクシー会社だったのですね。
その実績が認められて、1977年に中野区より心身障がい児スクールバスの運行委託を受けたのが福祉輸送事業をスタートさせるきっかけでした。その後は福祉バスの委託運行が増えていき、福祉タクシーの運行もスタートすることになりました。
施設との年間輸送契約が中心
利用者はどのような方が多いのでしょうか?
障がい者施設、特別支援学校、デイサービス、老人保健施設などの送迎が多いです。年間で輸送契約をしていますが、車両・ドライバー手配・メンテナンス業務すべてをこちらで請け負う場合と、施設の車両をお預かりしてドライバー手配とメンテナンス業務を行う運転管理業務を受託する場合があります。
となるとやはり福祉バスが中心になるのでしょうか?
そうですね。大型、中型、小型、ハイエースなどの1BOXでの輸送もあります。だいたい利用者の8割が年間の輸送契約で、1割が障がい者団体が観光などで利用する貸切営業、残りの1割が福祉ハイヤーになります。現在はハイエース、キャラバンで3台運行しています。また民間救急車両も1台保有しています。
福祉ハイヤーという営業形態
福祉ハイヤーとはどんなものなのでしょうか?
国土交通省の認可を受けた運賃をもとに、輸送内容に応じて事前に料金をご案内します。一般ハイヤー契約の福祉版です。基本的には事前にご案内した料金で利用できますので、安心してご予約いただけます。近距離の場合、介護タクシーの方が料金が割安になると思いますが、車いす、ストレッチャーなどの利用料金が無料なので、使い方によっては介護タクシーより安く利用できます。
宮園バスのセールスポイントを教えてください。
車両は広くゆったりと利用できる車種と座席レイアウトで、長距離の移動も疲れにくいです。自社整備工場があるのでメンテナンスは万全です。ヘルパーの資格を持っている介助員を1名付けた2名体制で伺うので、室内介助、階段介助などしっかりお手伝いいたします。
福祉輸送のパイオニア
バスを含めた車両台数はどのくらいあるのですか?
自社所有が91台、そのほか30台が管理委託車両です。契約車両台数でいうとグループで200台以上になります(取材当時)。施設側が車両を購入しても、都内だと駐車場の確保が難しいことが多いので、こちらでお預かりして管理しています。
すごい台数ですね!これまでに行った福祉輸送業務の中で、記憶に残っているお仕事は何かありますか?
民間救急での業務になりますが、東京マラソンや消防の出初式で車両の配備を担当しています。東日本大震災では江戸川区からの依頼でボランティアスタッフの輸送を行ったこともあります。また長野冬季パラリンピックでは選手村間の送迎も担当していました。
最後に利用を検討している方へメッセージをお願いします。
宮園グループは1970年代から福祉輸送に従事しているパイオニアです。全国初の身障者タクシードライバー、東京初の民間による福祉バス事業、全国初のタクシー会社による福祉輸送専門の営業所開設など、常に新しいことに挑んできました。四葉のクローバーマーク(福祉・愛情・友情・協調)と「やさしさをあなたに」という言葉を胸に、福祉輸送のプロフェッショナルとして、皆様の外出をサポートしてまいります。
長い歴史と確かな実績で今日も走り続ける宮園バスのクローバーマーク。宮園バスはタクシーで培った車両運行管理業務のノウハウを福祉輸送に発展させ、みんながお出かけできる社会に向かって歩み続けている会社でした。