介護タクシーコラム
配車システムで効率UP!介護タクシー予約センターかながわ
介護タクシーは予約が取りにくい。そう思っている方も少なくないと思います。予約がいっぱいの時、提携している他の介護タクシーを紹介してもらえることも多いですが、コールセンターを運営している介護タクシーグループは、効率の良い配車管理をしています。
今回は独自の配車システムを導入している介護タクシー予約センターかながわのコールセンターを訪問してきました。日頃お世話になっている介護タクシーの配車のしくみをのぞいてみましょう。
専属のコールセンタースタッフ
介護タクシー予約センターかながわは、神奈川県三浦市にある訪問介護事業、保険事業、介護タクシー事業を行なっている有限会社One Up(ワンナップ)の中にあります。4名の専属スタッフに加え、繁忙時は最大7名体制で予約受付を行っています。
事務所中央の壁に大きなディスプレイが置かれていて、全員がリアルタイムで各車両の場所が確認できるようになっています。これまで取材した介護タクシー事業所では見たことのない、一般タクシーの無線室のような光景です。
複数のアプリを組み合わせたオリジナルの配車システム
写真(上)は車両に搭載する動態管理の端末です。動態管理とは、車両の位置情報や状態を記録・管理することで、予約センターに登録している車両はこの端末を通して位置情報をインターネット上に送信しています。介護タクシーかながわ予約センターでは、このようなサービスを活用して独自の配車システムを作り上げています。
SmartDrive(スマートドライブ)で動態管理
介護タクシーが現在どこを走っているのかをリアルタイムに確認できるアプリです。予約情報と合わせて管理することで、効率よく配車ができます。例えば通院帰りなど時間が読みにくいお客様のところへ配車する場合、現在の車両の位置、その後の配車スケジュールなどから判断して、なるべくお待たせすることなく最適な車両を向かわせることができます。
スマートドライブはGoogleMap(グーグルマップ)と連動しているので、お迎え場所やお送り先までのルートをすぐに表示・共有することができます。
配達くんで予約管理・顧客情報管理
配達くんは、名前の通り運送業の業務管理アプリですが、ここでは予約のスケジュール管理と顧客管理に転用しています。はじめて利用するお客様は氏名をカタカナで表示することで、対応ドライバーがリピーターかどうかを瞬時に判断できます。また、運行実績と料金を記録することで、同じような依頼内容の時に実際の利用料金により近い概算を案内することができます。
LINEで配車指示・情報共有
スマートドライブからグーグルマップで表示した運行ルートを担当ドライバーへ共有するツールとして、LINEを活用しています。また、お迎え場所やお送り先の状況、運転や介助における注意点など、スマホで撮影した写真を共有することで、初めて担当するドライバーでも安心して対応できるようになります。
保険代理店のコンプライアンス
それぞれのアプリで取り扱う個人情報のなどの情報管理については、保険代理店も行っている運営会社のワンナップが保険業のコンプライアンスに関するガイダンスを基に徹底した管理体制を整えています。お客様の病気や障がいの状態など、センシティブな情報を扱う介護タクシーだからこそ、コンプライアンスには万全の注意を払っています。
お客様の利便性向上のために
2018年から導入を開始した配車システムはこれまでに改良を重ね、現在は三浦市の介護タクシーあゆみを中心に横須賀・三浦地区の事業者が介護タクシー予約センターかながわに参加しています。利用者にとってより使いやすい、予約が取りやすいサービスにするためには、もっと多くの台数で運営する必要があります。
そのためには参加する事業者が運行スケジュールを共有することが必須になるのですが、個人事業主が多い介護タクシーでは、なかなかうまくいかないのが現状です…。お客様の利便性向上のために、業界全体で 取り組んで欲しいですね。