介護タクシーコラム
ジャパンタクシー車いす乗車体験記
名古屋市在住の電動車いすユーザー、SさんからJPN TAXI(ジャパンタクシー)を利用した時のお話を聞くことができました。その他、通院先の病院で見かけるジャパンタクシーの車いす乗降の様子も教えていただいたので、みなさんにご紹介します。
プライバシー保護の観点から写真一部にぼかしや修正を加えています。予めご了承ください。
ジャパンタクシーの乗車にトライしてみました
今日は通院日でした。めちゃんこ早く終わってしまい、予約していたリフトカー(名古屋市の移動サービス)の時間はほとんど変更できなく、ランチしたり時間をつぶしていたのですが、車寄せにジャパンタクシーがいたのでトライしてみました。ピンク色のベビーカーのマーク(耐荷重300kgのスロープ搭載のUDステッカー)の付いた車でした。
「乗れますか?」「車いすに乗ったまま乗りますか?」「そうです。電動車いす乗せたことありますか?」と繰り返し、進入禁止のバーを除けてスロープを出せるところに止めなおしてもらって、乗れましたー^^。
スロープは2枚のうち1枚だけしか出されませんでした。スロープを上がろうとすると、転倒防止バーがあたるからか車いすは動かくなり、運転手さんに押してもらいました。急にガッと乗り込むかたちになってちょっと怖かったけど、なんとか。あとで運転手さんから「どうするとよいか?」と聞かれました。
助手席を畳んでもらい、乗り込んだ後の車内での方向転換は自分で行いました。運転手さんには後方の様子を見ていてもらいました。私の使っている電動車いすは小回りの利くモデルなので、2回ほどの切り返しで前を向くことができました。
車いすの方の利用は増えているらしい
運転手さん若くて気さくな方で、いろいろ尋ねると答えてくれました。車内の空間が広くなり快適性が増して、ジャパンタクシーを指定するお客さんが多くなった。手動車いすでの利用は増えている一方で、電動車いすは少なく、私で2回目だとか。
降りるときはフラットな駐車場に止めてもらい、スロープ1枚で運転手さんに後ろから車いすのハンドルを持ってもらい、楽に降車できました。私はすぐ家に向かえたけれど、運転手さんは少し片付けがいりますね。
ジャパンタクシーに乗車してみた感想
利用してみて思ったこと。ジャパンタクシーは車いすの乗降に時間がかかるし、スペースも必要。雨の日はスロープの設置で運転手さんもずぶ濡れになるので大変です。当然、乗降介助の際はお客さんに傘をさしてあげることはできない。双方(利用者と運転手)の気持ちに余裕のないときなどもある。スムーズに利用するためには条件がいるかな…。
雨の日は屋根がないと大変…
ジャパンタクシーに限らず、雨の日は車いす利用者が乗り降りする場所に屋根がないと大変です。車いすマークの駐車場にも屋根がない病院もあって、一般車両で車いすの人を後部座席に移乗する際に、介助者は傘をさしながら対応することも。車いすの人はすぐに乗車できなくて、難儀そうでした。
介護タクシーなど福祉車両の場合、後部の乗降スペースに屋根がある場所は乗り降りに不自由はないのですが、駐車できる台数が少ない場合が多いです。雨の日でも利用しやすいように屋根の設置が進んで欲しいです。
お盆のある日のジャパンタクシー
お盆でしたが、病院は混んでました。ジャパンタクシーが多かったですね。スロープ利用する車いす使用の人も何人か見ました。雨天でなくよかったですが、蒸し暑い中、三つ折りタイプのスロープは特に大変そうでした。二つ折りスロープに変えてもらえないのだろうか。
運転手さんは愚痴ひとつ言わず、丁寧な対応でした。助手席がうまく収まらず、苦労されているようでしたが、お客様も気長に(本当に…かえって手間かけてしまっていると思っているのかもしれませんね…)待っていました。一方で別の車両は二つ折りスロープを1枚使用、こちらは早いですね。ジャパンタクシーの乗降にはいろんな風景があります。
Sさんのおっしゃる通り、気持ちに余裕がないとジャパンタクシーの利用は難しいようですね。それでもスムーズに乗車できるように、どうすればよいか質問をする運転手さんや、時間がかかっても丁寧に対応する運転手さんがいることを聞いて、乗車拒否などマイナスのイメージがある一方で、頑張っているタクシー運転手さんもいることが分かりました。
Sさん、貴重な情報とご意見を有り難うございました。