介護タクシーコラム
安心してお出かけ・観光ができるように ~アイラス勉強会~
新型コロナが流行して約3年…他の交通機関と同じように介護タクシーも観光や旅行の需要が大きく減少しました。少しずつ日常に戻りつつある今後を見据えて、首都圏で活動する介護タクシーグループ、一般社団法人 福祉移送ネットワークアイラスがお出かけ・観光をテーマに勉強会を開催しました。
開業5年未満の事業者を対象に対面で実施
勉強会が行われた11月中旬はコロナ第8波が到来、12月のピークに向かっている時期でした。アイラスグループではこのような事態も想定して開業5年未満の事業者を対象に参加人数を絞り、マスク着用・手指消毒など感染対策を十分に行ったうえで勉強会を実施しました。
勉強会の進行は研修担当理事の武藤さん(介護タクシーアシスト)が行い、始めにアイラスグループ副理事長の荒井さん(福祉トランスファーまめキャブ)より挨拶がありました。
テーマをもとにグループディスカッション
荒井さんは「今回の勉強会の意義は、お出かけ・観光に関する知識を得ることと、コロナで会う機会がなかった新規開業事業者どうしの交流の場をつくること」だと話していました。このような場を持てるのは、1都3県+茨城県で約250台のネットワークを持つアイラスならではの大きなメリットです。
テーマは「ご自宅から8㎞先のお墓参りをしてご自宅へ」
参加者は5~6名ずつ4つのグループに分かれてテーマについて話し合いました。先輩事業者が各グループにファシリテーターとして参加、議論をサポートします。40分ほどのグループディスカッションでしたが、各グループで活発な意見交換が行われました。
まず自己紹介からスタートして、実務経験に基づいた自分なりの意見を発言し、それをファシリテーターがうまく拾い上げて発展させていくという流れで進みました。先輩事業者のみなさんが上手く議論を膨らませているところに感心しました。
各グループがディスカッションの成果を発表
ブループディスカッション終了後は各グループの代表による発表がありました。介護タクシーを利用するお客様にとって、お墓参りは大きなイベントです。「来てよかった」「またお出かけしたい」と思ってもらうためにはどのような対応が必要か、さまざまな意見がありました。
おもな発表内容
- しっかりとヒアリングを行い、見積り金額を提示する
- 駐車場の場所、墓地までの導線、トイレなどの下見をする
- 天候や環境に合わせた資器材の準備
- 集合写真の撮影や立ち寄り観光、お食事などの提案(お客様の状況による)
- TOPに合わせた自分の服装
- キャンセルの判断
最も多かったのは料金に関する意見でした。お客様にできる限り誤差の少ない見積もりを提示できるように、聞き取りと下見が大切だということをみなさんが発言していました。お墓には事前に下見できない場所もあるので、Googleストリートビューを活用したり、マップでトイレの場所を確認するなど工夫をされているようでした。
また、墓地は砂利敷きの場合が多いのでサイズの大きい後輪を上手く使って介助した方が良いという意見や、雨が降った場合を想定して防水シートを用意しておくなど、現場での経験をもとに参考となる意見が多く出てきました。
安心・安全が「またお出かけしたい」につながる
グループディスカッションの発表後、質疑応答と総括があり20:30頃に勉強会が終了しました。開始から約2時間、とても内容の濃い勉強会でした。介護タクシー事業者が集まって話し合うことはとても大切で、そこから移送の安心・安全が作られるのだと実感しました。
要介護者とそのご家族が「また行きたいね」と思えるようなサービスを提供できるように。アイラスグループのみなさんは安心・安全をつくる努力を続けています。頼もしいですね。