介護タクシーコラム

国土交通省へ行ってきた(第1回)

タクシー

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介護タクシーの情報サイトを始めるきっかけとなったひとつに、どの事業者のサイトを見ても書いてあることがいろいろでとにかく分かりづらい、どこに頼んでいいのか、どんなサービスがあるのかも良く分からない。ということがありました。今回、数々の疑問を解決するために国土交通省自動車局へおじゃましてきました。

長くなりそうなので…訪問して分かったことをこれから3回に分けてレポートします。

まずは知っておきたい言葉の問題

じつは「介護タクシー」という言葉は法規上存在しない!?

介護タクシーと同じような業務内容で「福祉タクシー」「ケアタクシー」「介護福祉タクシー」「介護保険タクシー」「ケアタクシー」「寝台タクシー」などいろいろな名称があって、いったい何が違うの?というかどれを利用すればいいの?とお悩みの方に正解をお知らせします。これらのタクシーはすべて福祉輸送事業限定(福祉限定)タクシーになります。

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一般乗用旅客自動車運送事業、いわゆるタクシー事業は全ての乗客を対象に営業できる事業です。ただし車いすやストレッチャーのままの乗車は車両の仕様、設備の関係で対応できません。そこで一般タクシーの利用が困難な方を対象とした輸送に「限定」した事業者の事を福祉輸送事業限定といい、それを各事業者が介護タクシー、福祉タクシーと名付けているのです。ですから業務内容はほぼ同じなんです。

ちなみにUDタクシー(ユニバーサルデザインタクシー)は、車いすのまま利用できる一般のタクシーなので、福祉限定タクシーとは異なります。呼び方がいろいろあるからかえって分かりにくいんですね。

「福祉タクシー」という呼称は国土交通省の文書に記載されています。ですが、定義が違うんです…。「福祉タクシーとは…(中略)…一般タクシー事業者が福祉自動車を使用して行なう運送や、障害者等の運送に業務の範囲を限定した許可を受けたタクシー事業者が行なう運送のことをいう。」これが国交省の定義です。

ということは「福祉タクシー」には一般タクシーの回転シート車やUDタクシーも含まれるので、福祉限定タクシーだけの事を指してはいないんです。ややこしいですね…。そして統一して欲しいですね。

福祉救援事業という言葉も存在しない

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「神奈川県生活支援ネットワーク協同組合」加盟タクシー会社による救援事業「Qタク」

一般タクシーも行なう「救援事業」。緊急救援や便利屋、見守りや生活支援などのサービスを地域の方々に提供しています。救援事業は各地域の運輸支局への届出制で、救援事業での移動の際は「救援」の表示が必要になります。

対象者は福祉限定タクシーの利用者だけでなく、だれでも利用できるのですが、本業のタクシー事業を妨げるものではいけない。という規定があります。したがって「福祉救援事業」という言葉も法令で定められたものではないのです。主となる対象者が高齢者、移動困難な方になるので案内する事業者側も福祉サービスと混同してしまうようですね。

開業のハードルが低いのはあくまでも「限定」だから

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一般の個人タクシーを開業するには一定の営業経験年数や無事故無違反期間が必要など高いハードルがありますが、乗客が限定されている福祉限定タクシーは2種免許取得者で、ケア輸送や福祉タクシー乗務員、介護福祉関連の研修を修了して規定の車両が調達できれば開業できます。

このように開業のハードルが低いのは、超高齢化社会を迎え福祉輸送への対応が急務であることがあげられます。国交省でも福祉限定タクシーの開業については「一層の利用者の利便の向上を図る観点」から「弾力的な審査」を行なうことを指示しています。


「福祉限定」のタクシーは、乗客が限定されているからこそ守らなければいけないルールがあるそうです。ホームページなどで正しい情報を掲載しているしっかりした事業者を利用したいですね。次回は福祉限定タクシーが守るべきルール、患者等搬送事業者(民間救急)、福祉有償事業(白ナンバー)についてレポートします。

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著者紹介

滝口 淳(ライター)
タクシー業界の片隅で仕事をしながら、介護福祉タクシー情報の分かりにくさを実感。障がいを持つ子どもの親として情報サイトの立ち上げを企画。現在取材活動中。

コラムカテゴリ

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