ドライバーインタビュー
みらい介護タクシー 千原さん
神奈川県相模原市のみらい介護タクシーにおじゃましました。ライトグリーンのポロシャツが素敵な代表の千原さん。ちょっと不愛想な印象があるのですが、話をすると優しい方で、そのギャップがまた魅力的なケアドライバーさんです。
目 次
観光バスドライバー志望から介護タクシー!?
ご無沙汰してます千原さん。お会いするのは昨年元旦の病院移転搬送のとき以来ですね。
そうですね。あの時は大変だったね。あの日は別の依頼も入っていたし…あれ以来、病院移転搬送の相談があると「元旦じゃないよね?」と聞くようになりましたよ(笑)
いやいや(笑)その節はお疲れ様でした。ではインタビューをはじめますね。あらためて開業のきっかけを教えていただけますか?
ないですよ、別に。本当は観光バスのドライバーになりたかったんですから。長年トラックの運転手をやっていて「よし、じゃあ次は観光バスの運転手だ」と思って大型二種免許を取ったんです。でもバス会社の求人がほとんど60歳定年制で…当時57歳だったのであと3年じゃ短すぎるなぁ、と思ってあきらめたんです。
そうだったのですね。それで介護タクシーを開業することになったと。
仕事でもプライベートでも車の運転が好きでしたし、何もしないでぶらぶらしているのも健康に良くないと思ったので、近所のお年寄りのあいだで話題になっていた介護タクシーをやってみようと思ったんです。
親切・丁寧、夜間も土日も対応
現在はかなりお忙しいみたいですね。
有難いことに8割くらいの方がリピートしてくださるので、5月まで予約が入ってます。営業時間外の夜間・深夜も受けますし、土日も依頼があれば営業します。お出かけとか観光の依頼も多いですよ。
すごいですね。そうやってお客様に支持されている理由は何でしょうか?
親切・丁寧ということですかね。料金も他社に比べて安いわけでもないですし。お客様には「対応が良くて有難い」とよく言われます。夜間・深夜の対応もみんな困っているからうちに連絡が来るんです。24時間対応とかって書いてあっても対応していない業者も多いみたいで。だったら自分がお迎えに行かなきゃと思うんです。
日曜の観光利用は介助料などをサービス
お客様はどのような方が多いのですか?
ホームページからの依頼がほとんどです。ストレッチャーとリクライニング車いすで約5~6割、残りは車いすの方です。ほとんどが通院での利用で、あとは救急車帰りですかね。日曜日はよく観光でご利用いただいています。今年はもうお花見の予約が3件入っています。(取材は2月中旬)
このご時世でも観光の依頼が入るのですね!お花見いいじゃないですか。
観光利用は多いですよ去年も20件くらいありました。コロナだから密を避けて介護タクシーを使う人も多いんです。この間も「魚が食べたい」というお客様と静岡県の焼津おさかなセンターまで行ってきました。日曜の観光利用は国に認可を受けた運賃・料金以外をサービスしているので、お得に利用してもらっています。
もと長距離ドライバーが長距離観光を案内
日曜の観光はお得なのですね。ちょっと出かけてみようか、という気になりますね。
そうなんです。平日通院で利用しているお客様が「じゃあ日曜日に○○まで行こうかしら」という感じで予約してくれます。今年のゴールデンウィークは3泊4日で愛媛県の松山まで母娘お二人の里帰り送迎の予約が入ってます。
松山って四国ですよね!?運転も大変じゃないですか。
鮮魚専門のトラックで長距離を走っていたから大丈夫。ちゃんと余裕を見て途中で休憩や宿泊も入れて、お客様の身体に負担がかからないように予定を組んでます。平日だとこういう依頼が受けられないので、連休中で良かったです。
依頼は断らずに同業の仲間にお願いする
お客様への対応でどんなことに気を配っていますか?
患者搬送関連の資器材と消毒液などの感染対策、あとはAEDも装備していて、万が一の時に対応できるようにしています。あと車内のレイアウトですが、めずらしい対面シートタイプなので、車いすやストレッチャー利用者と付添の方が顔を見ながら話をすることができます。
たしかにあまり見かけないレイアウトです。あと予約を受ける時などに注意していることはありますか?
依頼内容を丁寧に聞くことと、予約が埋まっていてもその場で断らずに同業の仲間にお願いすることですかね。みなさん快く調整してくれます。もちろん自分も仲間に頼まれたらできる限り対応するようにしています。
お客様に信頼される人になりたい
話は変わりますが、キャンピングカーがご趣味だとか。
趣味というか生活の一部ですね。休みが取れれば夫婦で出かけています。北海道にも行ってきました。キャンプ場で友達ができたり、仲間と一緒に旅行したり、いろいろ楽しんでます。ただキャンピングカーは遊び道具としてではなく、災害時に地域の人たちの避難場所にするなど、いざという時に人のために使いたいと思って所有してます。
人のために何かをしたい、そう思えることは素晴らしいですね。
そんな偉そうな話ではないんです。人やモノ、つながりがないと生きていけないし価値もなくなる。私は「絆」が物事の根幹だと思っています。親切にすることはいいことで、お互いが親身になればいい加減なことはできないし、言えなくなる。人の心って温かいんだなと思えるようになるんです。
本当にその通りですね。では最後にみらい介護タクシーの利用を検討している方へメッセージをお願いします。
お客様に信頼される人になりたい。それがみらい介護タクシーの目標です。「千原さんだから何でも話ができる」と言ってくれるお客様は私にとって宝物です。悩み事や相談事があれば気を遣わずに話して欲しいですね。
千原さんが「こうやって動いていることが自分にとって一番の幸せ」と仰っていたこと。自分もそうありたいと思いました。大先輩でまだまだ現役、本当に素晴らしいです。自分もこういう年齢の重ね方ができるように、これからも頑張らねば。