ドライバーインタビュー
ツルヤ交通 熊谷さん
埼玉県さいたま市でUDタクシーを導入しているタクシー会社、ツルヤ交通の熊谷さん。みんなが利用できる新しいタクシーとしてデビューしたUDタクシーの活用法について、いろいろとお話を伺いました。また日本赤十字社の活動を支援する独自の取り組みについても教えていただきました。
介護職の経験を活かしてUDタクシードライバーへ
UDタクシーのドライバーになったきっかけは?
一般タクシーのドライバーをしばらくやっていたのですが、会社がユニバーサルデザイン(UD)タクシーを導入する際に、前職でホームヘルパー2級の資格を取得していた私に「やってみないか」と声をかけていただきました。もともと介護の仕事をしていたので、ためらうことなく引き受けました。
埼玉県初のUDチャリティータクシー
ツルヤ交通UDタクシーのセールスポイントを3つあげてください。
いちばんの特長は売上の一部を日本赤十字社の活動資金として寄付を行なっている「UDチャリティータクシー」というところです。社会貢献活動として地域のみなさまにもご理解いただき、ツルヤ交通のUDタクシーを指名していただいています。
もう一つは利用料金です。他社では予約料金が必要だったり時間貸切料金を適用したりする場合があるようですが、ツルヤ交通のUDチャリティータクシーは予約料金などの料金設定はありません。事前の予約は必要になりますが、ツルヤ交通の一般タクシーと同じ料金でご利用いただけます。
3つ目は自由度が高い使いやすさです。車いすはもちろんのこと、チャイルドシートを使用したお子様の送り迎えや、ゴルフや旅行など大きい荷物がたくさんある時など、広い車内を活用して対応しています。また車いす、チャイルドシートは事前にご予約いただければ無料で貸出しも行なっています。
UDタクシーの多様な活用法
利用者はどのような方が多いですか?
やはり足の悪い年配の方の利用が多いです。ステップや手すりが付いているので乗り降りしやすいと好評です。また車内がゆったりしているので長距離移動をされる方からの予約も多いです。
あと意外と利用が多いのがケアマネジャーさんで、要支援・要介護の方に付き添って移動するケースが増えてきました。介護資格のあるケアマネが付き添うのであれば、ケアマネの判断で介護タクシー(福祉輸送限定事業者)よりも安く利用できるUDタクシーを選択して利用者の負担を軽くすることができます。
利用者とのエピソードで印象に残っていることを教えてください。
病院などへの利用で、帰りのご予約をいただいてお迎えに行ったときに「同じドライバーさんで良かった。」と安心していただけたのは嬉しかったです。病院などへの送迎は帰りの時間が読めない場合が多いのですが、なるべくお待たせすることがないよう、他の予約がない時は現地で待機をしています。
プロ野球選手から予約が入る時もあります。近くに寮があるチームの選手が練習場のある場所までの移動に使ってくれています。練習道具も荷台に積むことができて、セダンタイプのタクシーに比べて腰に負担が少なく、天井も高いので長距離移動にピッタリだと喜んでいただいてます。
安心してご利用いただけるよう丁寧に
突然ですが好きなものを教えてください。
ドライブですね。休みの日には家族と車で少し遠くのショッピングモールなどに行って買い物をしてきます。あとはツルヤ交通のUDチャリティータクシーが好きです。今はUDタクシーの担当になって本当に良かったと思っています。
ツルヤ交通のUDタクシーの利用を検討されている方へメッセージをお願いします。
UDタクシーは介護タクシーのようにドライバーが介護できるタクシーではありませんが、一般のタクシーと違い、乗降の介助でお客様のお身体に近づく事が多いです。だからこそお客様にケガなどないよう気配り、目配り、声がけをつねに心がけています。これからもお客様に喜んでいただけるよう丁寧に対応していきますので、どうぞ安心してご利用ください。
まっすぐでもの静か、優しい雰囲気の熊谷さん。好きな言葉は「何かあったときは初心に戻る。」でした。現在の仕事にやりがいを感じているのがインタビューを通じて伝わってきました。
ツルヤ交通は2015年に埼玉県交通安全対策協議会と日本赤十字社それぞれに約1億2千万円の寄付を行ったそうです。全国でも例を見ないUDチャリティータクシーの取り組みも、これまでの会社の姿勢から生まれたものなのだと思います。UDチャリティータクシーの輪が全国に広がって行ってほしいです。