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ドライバーインタビュー

【経営者インタビュー】ハロータクシー 寺師さん

香川県 高松市

ハロータクシーの寺師社長

7月初旬、あいにくの雨模様です…香川県にやって参りました。今回は高松市で一般タクシーと介護タクシー事業を展開しているハロータクシーを訪問しました。代表取締役の寺師 大祐さんにお話を伺います。

タクシーと同じように福祉車両を使って欲しい

ハロータクシー社屋

福祉輸送事業(介護タクシー)を始められたのはいつ頃でしょうか?

2000年の介護保険がスタートする前、高齢者や身体の不自由な方に福祉車両を一般のタクシーと同じように使って欲しい、という当社の思いからトヨタ・クラウンコンフォートのウェルキャブ(乗降しやすいように後部座席が回転する車両)を1台導入しました。

2000年よりも前というと、福祉輸送事業限定(現在の介護タクシー)が作られる前ですよね。

はい。だから当時は予約なしでも乗ることができました。その後は需要にあわせて福祉車両を1台ずつ増やしていき、現在は9台になりました。福祉車両は定期の仕事が入りやすいので、定期以外の依頼に対応できるよう予備車を1台用意する体制を作ってきました。

ドライバーの7割近くがヘルパー有資格者

ハロータクシーの介護車両

一般タクシー部門も含めて、ハロータクシー全体のセールスポイントを教えてください。

高松市内では基本的にどのタクシー会社を利用しても料金が同じです。だからこそ配車の電話受付からドライバーの接遇に至るまで、お客様の立場に寄り添った接客対応を心がけています。そこで他社との差別化を図っていきたいと。また一般タクシーから福祉車両への乗り換え対応ができるよう、ドライバーの約7割がヘルパーの資格を取っています。

それはスゴイですね。介護タクシーは49台のうち9台というお話ですが、何名くらいがヘルパーの資格を持っているのでしょうか?

乗務員数が60名弱に対して40名くらいです。現在は介護タクシー9台に対して専属ドライバーは3名で、残りは依頼に応じて一般タクシーから乗り換えて乗務しています。ドライバーも高齢化しているので、ヘルパーの資格を持っていても病院内など外出先の介助が難しいという者も数名います。

民間救急(患者等搬送事業者)としても活動

軽ワゴンの介護タクシー

そうですよね…車いすの介助も押しやすい場所だけではないですからね。介護保険を利用するお客様も多いのでしょうか?

一般タクシーを含めて全体の中の2割が介護利用で、その中の約半分が介護保険の利用者です。用途のほとんどが通院で、車いすのまま乗車される方とシートに乗られる方が同じくらいいらっしゃいます。

介護タクシー利用のお客様に対して独自のサービスなど提供されていますか?

当社のサービスは一般的な介護タクシーです。ただ患者等搬送事業者として消防局の認定を受けて活動しているところは特徴のひとつですね。コロナがまん延した時期は行政と連携して患者搬送を行っていました。

入院するお客様から預かったのは熱帯魚!?

印象に残っているお客様とのエピソードを教えてください。

いつもご利用いただいているお客様が入院することになり、熱帯魚を預かったことがあります(笑)あとは利用しなくなったスロープや車いすを譲っていただいたり…人間関係がしっかりできているから「ハロータクシーに相談してみよう」という感じになっています。有難いことです。

熱帯魚を預かるって初めて聞きました!信用していないとなかなか預けられないですよ。

そうですよね。ドライバー(ヘルパー)とお客様の信頼関係ができているからこそ、いろいろな相談がやってきます。「宿泊旅行に行きたい」と相談があったお客様に、旅行会社と連携したヘルパー付きのプランを提案したときも、喜んでいただいて本当に良かったと思いました。

旅行をあきらめてしまっているお客様やご家族は多いので、こういう経験を積み重ねていきたいです。

利用者を限定しない新しいUD車両を導入

ハロータクシーのシエンタショートスロープ

これからやっていきたいこと、計画していることがあれば教えてください。

ひとつは車いすのまま乗車できる車両の強化です。お話したように、いまは介護の利用時にドライバーが営業所に戻って車を乗り換えるという状況なので、効率が良いとは言えません。そこでUDタクシー(ジャパンタクシー)を増やそう…と言いたいところなのですが、ご存知の通り車いす乗車という点では十分ではありません。

そこでスロープが短く荷物も積みこみやすい、新型シエンタのショートスロープタイプを導入しました。一般的な車いすの方であればこちらで十分に対応可能なので、現在大活躍中です。

お客様との信頼関係で地域を守っていきたい

ハロータクシーの中心メンバー

さすが目の付けどころが違いますね。シエンタはハロータクシーの利用者属性にあった車両のチョイスだと思います。

状況を見ながら台数を増やしていきたいです。あとはタクシーのサービスではありませんが、便利屋を始めたいと思っています。

便利屋って庭の草むしりや電球交換とか、なんでも屋さん的なサービスですよね?

そうです。全国ですでにサービスを展開しているタクシー会社もありますが、介護でいつもご自宅のお部屋に入る私たちにだったら「ついでに○○して」と言いやすのでは、と思いまして。ご本人だけでなくご家族の状況も分かっているので、的確に対応できます。

お客様との信頼関係をもとに、外出支援だけでなくこういった地域に根差したサービスを広げることで地域のくらしを守っていきたいと思っています。

最後にハロータクシーの利用を検討されている方へひとことお願いします。

ハロータクシーではお客様のお身体の状況に沿った介護・介助をご提供しています。経験豊富なヘルパーが安心してご利用いただけるよう対応していますので、外出に不安のある方はお気軽にご相談ください。


高松市内法人タクシーの平均保有台数は22台(R4.3現在)49台保有のハロータクシーは地域で大手のタクシー会社です。寺師社長は介護タクシーを含めたタクシー全般の在り方と今後を見据えて地域の移動を支えている方でした。

ハロータクシー代表取締役 寺師大祐

有限会社ハロータクシー

代表取締役 寺師 大祐
1978年香川県高松市出身。建設業界での経験を経て2005年に家業であるハロータクシーへ入社、2018年に代表取締役に就任、現在は香川県タクシー協同組合の運送委員長を兼務。趣味はランニング。

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