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ドライバーインタビュー

伊豆おはな 河瀨さん

静岡県 熱海市

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熱海らしくアロハがユニフォームの伊豆おはな。代表の河瀨さんと、奥様で取締役の愛美さんにお話を伺いました。開業から休みなく熱海のまちを走るお二人のパワーの源は「困ってる人たちの手助けになりたい」という強い思いでした。

10歳のとき事故で入院「早く動けるようになりたい」

気温は20℃を超えて暖かい陽気でしたが、とにかく風が強い1日でした。だんだんと薄暗くなってきた午後、オフィスにおじゃましました。介護・福祉タクシー、訪問介護事業所という看板が掲げられていて、事業許可関連の番号もしっかり明記されていました。

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少し日が陰ってきた熱海沖
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この看板も安心材料のひとつです

介護タクシー事業を始められたきっかけを教えてください。

きっかけは2つあります。東京に住んでいた時に熱海への週末移住を始めたのですが、熱海に移住して起業している方たちとの交流で、自分も熱海で何か仕事をはじめよう。と思ったことがひとつめのきっかけです。

2つ目、これが大きなきっかけとなったのですが、私は10歳の時、不慮の事故で全身70%の熱傷を負ってしまい、生死の境をさまよい3ヶ月間ICUで寝返りを打つこともできない状態で天井を見ているだけの日々を過ごしました。

狭い坂と階段が多い熱海の街で移動に苦労しているお年寄りの姿を見て「早く外に出て元気に動けるようになりたい」と思っていた自分の辛い経験が重なり、「この方たちの手助けをするために、あの時自分は助かったんだ。」と思い、2013年に伊豆おはなを起業しました。

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おはな号(右)とハッピー号(左)

大きな事故を経験したことで、自分がやるべきことを見つけられたのですね…。熱海は観光都市のイメージが強いですが、住んでいる方は高齢者が多いのでしょうか?

熱海市の人口は約3万7千人、高齢者の割合は46%です。救急車の年間出動件数は約3,100件で、この中には観光客の病気やケガなども含まれますが、人口10万人の都市に匹敵する件数です。道が狭く坂や階段が多い街で多くの高齢者が大変な思いをしていることが分かります。

熱海で暮らす人たちのために

伊豆おはなのセールスポイントを3つ教えてください。

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おはな号はストレッチャー乗車も可能
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車いす対応のハッピー号

介護保険が利用できること、看護師が在籍していること、熱海市患者等搬送事業者(民間救急)第1号であることですね。介護保険で利用者の経済的負担を少しでも軽くできるように、看護師の目線で利用者の身体介護や健康状態の確認など見守りができるように、民間救急で救急車利用の補助的な役割ができるように。そう考えて環境を整備しました。

患者等搬送事業者の適用については、まだ制度のなかった熱海市にかけあって新たに適用してもらいました。

介護保険の利用者はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?

利用者全体のおよそ70%くらいですね。残りの30%が観光などの一般利用です。利用者は高齢者で車いす利用の方がほとんどなので、介助もご自宅の中から車までおこないます。UDタクシーが増えてもここまでの対応はできないので、熱海で暮らす方々にとって介護タクシーは必要不可欠な乗り物なんです。

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観光でも活躍するアロハ号

乗車体験を通じて使いやすさを考える

利用者に便利で快適に使っていただけるように工夫されていることはありますか?

いろいろあります。まず車両ですが、最初にお話ししたように坂が多くて道の狭い熱海の状況に合わせてNV200、ヴォクシーを揃えました。1BOX車だと厳しい場所がありますので。運転についても極力揺れを抑えて、マンホールなど路面にも十分注意しています。

車内の装備・備品についても気を配っています。(写真と一緒にご紹介します)

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補助席には座布団を設置
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座席下には毛布やひざ掛け、サンダルも用意
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助手席乗降用のつり革とステップ
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介助用車いすとAEDを搭載

自分たちの経験とスタッフ同士の乗車体験で必要な装備を揃えました。例えば通常のシートより厚みのないNV200 の補助席に座布団を置いてみたり、履物を持たずに救急車で搬送された方のためにサンダルを用意したりしました。また、狭い階段などでも扱いやすい介助用車いすにはノンパンクタイヤを採用しています。

助手席につり革やステップを用意したのは、たまに助手席に乗りたいというお客様からのリクエストがあったからです。

なるほど。お互いが乗車して意見を出し合っているんですね。

そうですね。乗車位置から見えるところに日めくりカレンダーを置いたのも、自分で乗車してみて「日にちが分かるものがあったほうがお客様との会話やリハビリにもつながる」と思ったからなんです。

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日めくりを設置

介護タクシーが結ぶ家族の絆

利用者とのエピソードで印象に残っていることはありますか?

2015年の秋ごろ、始めてのご利用からつい最近のご利用まで、離れて暮らすお嬢さんの節目の日に伊豆おはなを指名していただいたお客様の話をさせてください。

2015年からというと約3年のお付き合いですね。ぜひエピソードを聞かせてください。

最初のお手伝いは大学に通うお嬢さんの部活動の発表会を見に、伊豆南部の病院から横浜の会場までの移動でした。病気になってから2年、初めての外出でした。

丸1日の移動、食事にも注意が必要な方だったのでご家族、病院と連携して事前に食事の様子を見せていただいたりしてできる限りの準備をしてお手伝いさせていただきました。お嬢さんの晴れ姿、家族との久しぶりの外出にとても喜んでいらっしゃいました。

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久しぶりの外出

2回目はお嬢さんの成人式に家族写真を撮りに行くという外出でした。最初はご家族のいる東京の写真館まで向かうというお話だったのですが、身体への負担も考えて「熱海でご家族が集まるのはどうでしょうか。」と私たちから提案しました。お嬢さんの成人式に熱海で家族全員が集まれたことをみなさんに喜んでいただけました。

病気で離れて暮らす家族が集まる方法と場所の提案をされたわけですね。

はい。そしてつい先日、同じ方の3回目の外出をお手伝いしました。お嬢さんの大学の卒業式です。東京までの長距離、車だけでは時間が読めないので病院から熱海は伊豆おはなが担当、熱海から品川までは多目的室を予約して新幹線で移動、品川からは東京の介護タクシーで会場まで移動するという計画を提案をしました。

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新幹線での移動を提案

お客様とご家族には私たちが最後までしっかりとサポートさせていただくことをお約束して、関係各所のご協力により実現することができました。

夫婦そろって海が好き!

ホームページで拝見していましたが、3月でもユニフォームはアロハなんですね(笑)

そうなんです。二人揃って「海・ハワイ・イルカ」が大好きで私はジェットスキー、妻(愛美さん)はダイビングが趣味なんです。熱海に移住したきっかけも海でした。屋号の「おはな」もハワイ語で家族や仲間を意味する「オハナ」から付けました。夢はハワイに「伊豆おはな」を作ることです。

スゴイ目標ですね!ハワイの伊豆おはな開業に向けて、これから取り組んでいこうと思うことを教えていただけますか?

まず仲間を集めることですね。熱海で移動に困っている方はまだまだ大勢いらっしゃいます。伊豆おはなの取り組みに共感して一緒に働いてくれるドライバーを募集しています。

「おはな」はミラクルを信じて今日も走る

最後に伊豆おはなの利用を検討されている方へメッセージをお願いします。

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明るいスタッフが対応します!

通院や入退院、一時外泊・帰宅、観光などいろいろな依頼がありますが、ほとんどの方が何も分からない状況でこちらに連絡をされます。でもそれは当然のことであって、ある日突然、親が介護状態になった時、車いすの友人と熱海に旅行に行きたい時、何をどうすればよいか分からないのは当たり前のことなんです。

外出はいろいろなミラクルを起こしてくれる、と私たちはいつも感じています。お出かけの小さなワクワクが、その方が持っている本来の力を引き出してくれます。

私たちがしっかりとアドバイス、提案をさせていただきますので、どうぞ気兼ねなく伊豆おはなまでご連絡ください。家族のような温かな心で皆様をお迎えします。


介護タクシーはただ乗せて降ろすだけの乗り物ではない。お二人のお話を聞いて介護タクシーの大切さを再認識しました。熱海に魅せられ移り住み、地域で移動に困っている人の手助けをする。河瀨社長の思いは、全国訪問ボランティアナースの会・キャンナスの81か所目となる「キャンナス熱海」の代表者でもある愛美さんとの二人三脚で、熱海の街にたくさんの笑顔の花を咲かせています。

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株式会社伊豆おはな

代表取締役社長 河瀨 豊
1970年東京生まれ。幼少期に不慮の事故で生死の境を彷徨った経験から困っている人の手助けになりたいと、東京から熱海に夫婦で移り住み伊豆おはなを開業。趣味はマリンスポーツ。

伊豆おはな 情報ページ

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