ドライバーインタビュー
介護タクシー身介 曽我さん
個人事業の方がほとんどの介護タクシーの取材は、お仕事が終わるころの夕方が割と多いんです。今回も日が暮れる少し前、神奈川県横浜市で営業している介護タクシー身介の代表、曽我さんにお話を伺いました。「女性ドライバーのグループを作りたい。」なんて話で盛り上がりました。
助け合い輸送から介護タクシーへ
早速ですが介護タクシーの事業を始めたきっかけを教えてください。
私の子どもがまだ小さかった頃、近所の方が要介護状態になってしまい、その方を私が車に乗せて病院などに連れて行っていました。いわゆる福祉ボランティア(助け合い輸送)輸送というものです。
それが一つのきっかけで、その後親戚が介護の仕事に就職すると、新聞記事などで以前から知っていた介護タクシーのことも身近になり、主人の定年に備えてまず私が介護タクシーを始めてみようと思い、2007年に開業しました。
親身の対応でお客様のお出かけプランをお助けします
介護タクシー身介のセールスポイントをどうぞ。
まず親身の対応がモットーです。女性ドライバーが在籍しているという点、私ですが(笑)。さらに大型2種免許を持っているところですかね。車は1BOXのトヨタレジアスエースで、車いす1台であれば付添の方が最大7名が乗車できます。家族旅行などに最適です。
お客様はどのような方が多いのでしょうか?
利用される方の8~9割は車いす、またはストレッチャーの方です。用途は通院、入退院、一時帰宅などが多く、買い物や冠婚葬祭で使っていただくこともあります。旅行は年に数回、プランのご提案から対応しています。あまり宣伝をしていないので、ご紹介をいただくことがほとんどですね。
自分が乗ったらこうして欲しいという目線を大切に
お客様に便利で快適に使っていただけるように工夫をされていることはありますか?
フロアシートを特注の透明なビニールシートにしています。これは濡れたり汚れたりするのを防止するだけでなく、車内にニオイが付くのも防いでくれて、車内を清潔に維持することができます。また、日除けのカーテンを付けたり、手すりに包帯を巻いたりしています。
手すりに包帯ですか!?そういえば確かに巻いてありますね。
はい。汚れたらほどいて新しいものに付け替えるんです。手すりは2列目のシートを利用される方のほとんどが掴むところなので、どうしても汚れてしまうんです。私はもし自分が利用者として乗車したらこうして欲しいという目線で車内の隅々を見ています。そうすると新しい問題点や改善策が見えてくるんです。
お客様とのエピソードで印象に残っていることを教えてください。
女性ドライバーのご指名で北海道から横浜観光にいらっしゃったご家族のお話です。どうやって調べたのか、私のところに連絡があって横浜観光を2日間、ご案内しました。90代・80代の方がいらっしゃる明るいご家族で、その後も年に3回ほど観光のご利用をいただいています。最近では伊豆や三崎までご案内しました。
横のつながりをもっと広げたい
それでは、介護タクシー身介の利用を検討されている方へメッセージをお願いします。
介護タクシー身介は自交総連神奈川地方労働組合に所属している介護タクシーです。日常的な横の連携に加え、勉強会などを定期的に開催してお互いのスキル向上を目指しています。いろいろな状況に対応いたしますので、ご相談をお待ちしております。
有難うございます。最後に曽我さんの好きな言葉を教えてください。
「いつも心を穏やかに」ですね。自分がそうできないのでそうありたいと思っているんです(笑)。主婦、子育てと仕事の両立に、つらい時期もたくさんありましたが、お客様から頂く「ありがとう」という感謝の言葉が心の支えになりました。
今度は女性ドライバー同士つながりを持ちたいと思っています。同性が頑張っている姿を見ると刺激になりますし、女性ならではの視点できっと良いサービスが見つけ出せると思います。
インタビューを終えた頃はすでに夜になっていました。曽我さんは大型2種免許を持っていて1BOXの介護タクシーを乗りこなす豪快な方なのかな・・・と思いきやとても丁寧で物腰が柔らかな方でした。
手芸が趣味ということで、お土産に羊毛フェルトの人形をいただきました(事務所に飾ってあります)。女性介護タクシードライバーのグループ結成、ぜひお手伝いさせてください!まずは特集を企画してみます。