ドライバーインタビュー

まだまだ暑い9月初旬、大阪市西成区を拠点に営業しているアイビー介護タクシー代表の齊藤さんからお話を伺いました。お仕事の合間を縫ってのインタビューでしたが、こちらの質問に的確に答えていただいて、お話をうかがった時間以上に内容の濃いインタビューになりました。

きっかけは家族の介護

介護タクシードライバになったきっかけは？

月並みな話ですが、母親の介護がきっかけでした。今でも足腰が悪く歩くのが不自由になった母親の移動や日々の生活の手伝いをしているのですが、ある時から介護タクシーがよく目につくようになって、自分の母親と同じように移動や日常生活にお困りの方へ、介護タクシーのサービスを始めてみようと思い、アイビー介護タクシーを開業しました。

開業を決めてからどんな準備をされたのでしょうか。

母親の移動を依頼した時に、対応がいいなと感じた介護タクシー事業者に直接お願いして勉強させてもらいました。開業の事務手続きに関しては、開業をサポートしている事業者団体の説明会に足を運んだりもしましたが、会社員として経験してきたことを活かして、自分で開業手続きをしました。

タクシードライバーよりも介護職員として

アイビー介護タクシーの特徴を教えてください。

きめ細かい対応ですね。自分の介護経験をもとに多くのことに気を配って、ご満足いただける対応を心がけています。私は単なるタクシードライバーとしてではなく、介護職の人間としてお客様に接しているので、介護施設についての相談など移送の仕事以外の相談を受けることも多いです。アドバイスやカウンセリングができるところが大きな特徴ですね。

あとは車内で気持ちよく過ごしていただけるように空気清浄機を使用したり、少量のアロマを焚いたりしています。アロマは女性のお客様に好評で、会話のきっかけにもなっています。

お客様はどのような方が多いのでしょうか？

どこも同じかも知れませんが、通院8割その他2割といった感じです。お客様のほとんどが車いす、あとはストレッチャーですね。一般のお出かけについては観光、お墓参り、美容室、お買い物などいろいろな用途で利用していただいてます。特に土日は病院が休みの場合が多いので一般のお出かけがメインになります。

安全と安心感を提供したい

お客様に便利で快適に使っていただけるように注意していることはありますか？

先ほどお話しした車内で気持ちよく過ごしてもらいたいということと同じですが、車内の床のシートを貼り替えてきれいにしたり、長時間の移動でも楽しんでいただけるようTVやDVDが見れるモニターを設置しています。安全運転で乗り心地良く、というのは当然ですが、その他の部分でも快適さを感じてもらえるように工夫しています。

先ほども問合せの電話対応をされていましたが、齊藤さんは電話の応対が丁寧で分かりやすいですよね。

問い合わせの電話対応については、この方は何を知りたくて何が不安なのかを読み取ってできるだけ簡潔に、分かりやすく伝えるようにしています。これは会社員時代にいろいろな方と接してきた経験が活きているのだと思います。特に初めてご利用の方には安心感を与えられる対応を心がけています。

お出かけを楽しむために介護タクシーを利用

お客様とのエピソードで印象に残っていることを教えてください。

介護タクシーは要支援・要介護の方やお身体に障害のある方が利用するので通院、通所が中心になりますが、その中で自分の楽しみのために介護タクシーを利用してくださった方のことは印象に残っています。

その方は80歳半ばで病院に入院されていたのですが、一時外出するときはいつも私を呼んでくれました。買い物が大好きな方で毎回いろいろなところへ買い物に行きました。入院しているとは思えないほどお元気で、あまりにも頻繁に利用していただくのでその方に合った自走式の車いすを購入したくらいです。

家族を思ってどれだけ親身になってくれるか

お出かけを楽しむために介護タクシーを利用する。そんな方がもっと増えるといいですよね。良いお話を有難うございました。最後にアイビー介護タクシーの利用を検討されている方へひとことお願いします。

ご本人やご家族に合ったドライバーが見つかるまで、いろんな介護タクシーを利用してみてください。家族を思って親身になってくれる、自分たちに合うドライバーが見つかったら、長いお付き合いをして欲しいです。もしそれがアイビー介護タクシーだったら…その時は是非とも長いお付き合いをよろしくお願いします。

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齊藤さんはお会いする前も、声と話し方が素敵な方だなという印象でした。実際お会いして白いポロシャツに日焼けした爽やかな姿を拝見して、きっと現場でいきいきとお仕事をされているんだろうな、と感じました。今回はお忙しいところお時間いただき、ありがとうございました。