ドライバーインタビュー
介護タクシー・民間救急 吉岡福祉交通 吉岡さん
2年連続で徳島県にやってきました。今回は昨年5月に東京からUターン開業された、板野郡板野町の介護タクシー・民間救急 吉岡福祉交通の代表 吉岡さんにお話を伺いました。共通の話題もあり、徳島にいながら東京の話で盛り上がってしまいました…。
目 次
一般タクシードライバーから介護タクシーを開業
東京でお名前は聞いていたのですが、お会いするのは初めてですよね。
そうですね、はじめましてですね…。まさかここまで取材に来てもらえるとは思っていませんでした(笑)今日は天気が悪い中ありがとうございます。
こちらこそ呼んでいただき、ありがとうございます。早速ですが、開業のきっかけから聞かせていただけますか?
2019年に東京で介護タクシーを開業したのですが、その前はタクシードライバーをやっていまして。負けず嫌いな性格も手伝って、売上トップを2回経験したんです。そこで「次は個人タクシーだ」と頑張っていたのですが、乗務年数などの条件があって、すぐには個人タクシーになれないことが分かったんです。
確かに個人タクシーは開業のハードルが高いですよね。それで介護タクシーに?
はい。自分のキャリアを早くステップアップしたかったのと、実家の祖父の介護についても家族で話し合っていたので、まずは東京で介護タクシーを始めて勉強して、いずれは板野町に戻ろうと考えて始めました。
地域第1号の患者等搬送事業者(民間救急)
吉岡福祉交通のセールスポイントを教えてください。
こういうの苦手なんですよね…。地域のほかの事業者と違うところといえば、地域唯一の患者等搬送事業者(※取材当時)ということですかね。板野西部消防組合消防本部で認定第1号です。30代の男性ヘルパー2名体制で、ストレッチャーの移乗や階段介助なども行いますし、医療用酸素も用意しています。
板野町の周辺地域は患者等搬送事業者(民間救急)がいなかったのですね。東京では東京消防庁の認定を受けられてましたよね?
東京で介護タクシーを始めて、介護タクシーグループに加盟したり、患者等搬送事業者の認定を受けたりして5年間経験を積ませてもらったことが、自分にとって大きなプラスになっています。この点もセールスポイントのひとつですね。
タクシー会社勤務の経験を活かした業務管理
事務所の「点呼場」という掲示、タクシー会社みたいですね。
先ほど2名体制とお話した通り、現在は地元の同級生に1台運行を任せています。当然、雇い入れになるので、国土交通省で定めた出庫・帰庫の点呼、研修などはしっかり行っています。
ご自身がタクシードライバー時代に経験していることですからね。掲示物や書類の管理など、個人事業主でここまできちんと整理されている方はなかなかいらっしゃらないと思います。
ありがとうございます。業務管理を徹底しながら2名体制で業務にあたっているので、透析の方など定期的な通院が必要なお客様には安心してご利用いただいてます。
中距離・長距離の転院搬送に対応
透析のほかにお客様の利用用途で多いのはどんな移送ですか?
転院搬送が多いですね。地域では後発の事業者ということもあって、先輩事業者は地域密着の移送が多いようです。うちは患者等搬送事業者の認定も受けているので、病院からの依頼も多いです。
県外・四国外への搬送も多いのでしょうか?
はい。先日も和歌山までフェリーを使って転院搬送を行いました。徳島へお墓参りに来ていた方が怪我をされて、徳島の病院へ入院したのですが、その方を和歌山の病院までお送りしました。無事に帰ることができて安心されていました。
お客様に合わせて器材を選択
キャラバンの車内はスッキリしていますね。器材は事務所で管理しているのでしょうか?
今日はハイエースのみの稼働で、キャラバンは休車でした。器材はいろいろなものを用意しているので、事務所で管理しています。乗車されるお客様の状況に合わせて器材を選んで積み込んでいます。
具体的にはどのような器材をお持ちなのでしょうか?
介助用車いすを2種類(小型・大型)、自走式車いす、リクライニング車いす、ストレッチャーです。あと長距離の搬送や観光で使用する「車いすサポートシート」も用意しています。(以下の動画を参照ください)
こういうものがあったのですね!知りませんでした。
腰から上体が安定するので、長時間の乗車や車いす移動の負担を軽減してくれます。今はまだ観光の需要がないので、出番は少ないのですが…。
「継続は力なり」でこの仕事を続けていきたい
吉岡福祉交通の利用を検討されている方へ、ひとことお願いします。
私たち吉岡福祉交通は、お客様が「また出かけたい」と思っていただけるような、便利で安全な移動をご提供しています。通院・転院以外に観光・旅行などにもぜひご利用ください。毎年8月に開催される阿波踊りはたくさんの人でにぎわいます。ぜひ徳島へ観光に来てください。
ありがとうございました。最後に吉岡さんの好きな言葉を教えてもらえますか?
えっ、好きな言葉ですか!?…「継続は力なり」ですかね。ドライバー歴はまだ10年足らずですが、生まれ育った板野町で、介護タクシーをずっと続けていきたいと思っています。
ドライバーお二人とも若いですから、これからも地域の移動を支えていってください。
いやぁ、若いといってももうすぐ40歳ですから(苦笑)
このあと徳島県内の介護タクシー事業者の方(大先輩です)と合流して、情報交換しながらお昼ご飯をいただきました。これまでの経験を活かして、もっと便利で安全な移送をめざして欲しいと思います。