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介護タクシーコラム

第46回 国際福祉機器展に行ってきました!

介護・医療

第46回国際福祉機器展

介護タクシー案内所の立ち上げから関わってはいますが、実はまだ介護車両や装備をしっかりと見たことがなく・・・。「こんなことをでは、あまりに恥ずかしい!」と9/25~27の3日間に渡り東京ビッグサイトで開催された、第46回国際福祉機器展へ行ってきました。

東京ビックサイトの西・南展示ホールを会場に国内外の企業・団体438社が出展する大規模なものでした。

ユーザーの体の状態に合わせた車両

福祉機器展、福祉車両展示エリア

福祉車両の西展示ホールでは、トヨタや日産、ホンダなどの各自動車メーカーが並び、数多くの最新福祉車両が展示されていました。

杖を使っている方や車いすからシートへの移乗できる方には

最初は、トヨタの展示へ行ってみました。車いすなどから乗り替えて、助手席やセカンドシートに座る福祉車両は、シートが回転し車外へ大きくスライドダウンするミニバンが展示されていました。

トヨタサイドリフトアップチルトシート車

思っていたよりも大きく助手席が車外へ出てきて、シートがぐっと下がることに「おおっ!」。実際に操作している所を初めて目にして、シートが乗り手をおむかえに来てくれるような様子に、ちょっとテンションが上がってしまいました。 もし介助者の手を借りて、少し立位が取れるようなら、助手席や後部座席を改良したシートへ移譲した方がロングドライブには向いていると思いますが、大きく助手席が張り出る分、駐車スペースには注意が必要ですね。

脱着シート仕様、サイドアクセス車

個人的には、脱着シート仕様のサイドアクセス車に興味があったのですが、残念ながら、こちらは展示されていませんでした。メーカーの方に脱着シートについて伺うと、シート自体が重たく車いすなどと比べると、少々使い勝手が今一つなようです。

車いすのまま乗車する方なら

介護タクシーでは多い、車いすのまま乗車できるタイプ。スロープタイプはミニバンでした。スロープは、展開・格納を自動で、車いすもリモコン操作で車内に引き入れる電動ウィンチ。こちらだと介助者の負担はだいぶ軽減されそうです。

シエンタスロープタイプ

リフトタイプのハイエースは、大型車両なので車内は広く、もちろん天井も高いです。点滴などを下げるフックもあり、酸素やその他、民間救急の装備などを載せるにはこの大きさ、広さは不可欠だと感じました。

改良されたJPN TAXIも

JPN TAXI(ジャパンタクシー)も展示されていました。2017年に発売されてから改善・改良されています。

ジャパンタクシー
人気のJPN TAXI
ジャパンタクシースロープ
改良された二つ折りスロープ

ですが、ドライバーにとっても利用客にとってもまだまだ多くの改善点があるようで、メーカーの担当者からは改善要求に対して今後も真摯に取り組んで行くという話がありました。今後の改良に期待したいと思います。

介護車両の可能性の追求と特徴

HCR2019ホンダブース

活動の幅が広がる、日産 Adventure Log Cabin (アドベンチャー ログ キャビン)

日産では、セレナ「ライフケアビークル(LV)」をベースにしたコンセプトモデルAdventure Log Cabin(アドベンチャー ログ キャビン)が多くの人の注目を集めていました。 日産ライフケアビークルの出かける喜びを、一人でも多くの方へというテーマに、さらにどんなところへも気軽にクルマでお出かけをしようという思いを加えて具現化したものだそうです。

日産アドベンチャー ログ キャビン
Adventure Log Cabin
アドベンチャー ログ キャビン車内
ベッドキットを装備。

今回のコンセプトモデルは、車への乗り降りをサポートする助手席スライドアップシートを搭載しているほか、車中泊、キャンプやレジャーのほか、ロングドライブの休憩にも使用できるベッドキットが装備されていました。観光や旅行をメインとした介護タクシーがありますが、今後キャンプなどかなりアクティブなお出かけにも対応できる介護タクシーが出てくるかもしれませんね。

フラットな床が特徴、ホンダ スッテプワゴン

続いてホンダのブースへ向かったのですが、遠目に見たスッテプワゴン、なんとなくスロープが長い気が・・・。近づいてみると、他メーカーより車高があるような・・・。

ホンダステップワゴンスローパー
スロープが長い!?
ホンダステップワゴン
視点が高く斜めにならないのがGOOD

メーカーの方に尋ねると、新型ステップワゴンでは3列目シートが床下収納になっている分、車高が少し高くなっているとのことでした。

なるほど、車内をのぞき込むとシートが床にピタッと収まりフラットで車いすも水平に固定できます。跳ね上げ式と違い両脇に収納されたシートがないのでとても広く感じます。シート収納も背もたれを前に倒してから、全体を床下に収めるようになっていて、簡単で力的にも女性でも楽に扱えそうな感じがしました。

小回りがきく軽車両、ダイハツ タント

軽福祉車両の中でシェアNo.1を獲得のダイハツでも軽福祉車両など7車種8台が出展されていました。

ダイハツタント車内

ダイハツの軽福祉車両フレンドシップシリーズは車いす移動車から昇降シート車、新型タントから発売の回転シート車まで、幅広いラインナップを展開されています。2019年7月フルモデルチェンジしたタントは広い車内で圧迫感が少ないなと感じました。

同じく軽車両を展示していたのはスズキです。スペーシア、エブリイやワゴンRとセニアカーが展示されていました。軽車両は、コスト面と小回りのきくボディが魅力です。狭い路などでは活躍する車でしょう。

他にもベンツや東和モータースの車両なども並び、体が不自由な方が自身で運転するために補助装置を付けた仕様の車が多数ありました。

生活環境に合った車選びを

展示会では車いすに座っての乗車や車いすの乗降操作なども体験できました。どのメーカーから出ている福祉車両も一長一短があります。介助の仕方や生活環境から、適した車を選ぶにはやはり、試してみる事は大切だと思います。 今回のような展示会だけでなく、福祉車両を展示してある店舗も全国にあります。また、福祉車両のレンタカーもあるので利用してみてはいかがでしょうか?

IMASEN

福祉機器展では、介護福祉関係の人たちのほか、介助をされている家族、車いすの方たちが多く来場されていました。介護タクシーを利用して、ドライバーの方と一緒に会場を見て回っている方もいらっしゃいました。介助されるご家族もご本人もとてもアクティブで、会場全体が活気に満ちあふれていたのが印象的でした。

黒猫

著者紹介

編集部 C子
両親も後期高齢者の仲間入りを果たし、介護の入口に立っているAround50。子育てと仕事に奮闘中。

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