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介護タクシーコラム

介護タクシーの苦情・クレームは運輸支局へ

タクシー

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利用者の方から「介護タクシーへのクレームはどこにいえばいいの?」という問い合せをいただくことがあります。一般のタクシー会社のように会社組織ではなく個人事業主が多い、また一般の個人タクシー事業者のように組合組織がない、タクシー協会やタクシーセンターのように指導・監督を管轄している機関がない。いわゆる「お客様相談窓口」のようなものがないのです。

どのような苦情・クレームが多いのか

通院などで定期的に利用する方が多い介護タクシー。いつも利用するものだから、対応の良い事業者、自分に合ったドライバーさんにお願いしたいですよね。でも時には苦情・クレームを言いたくなる介護タクシーに出会うこともあると思います。

いったい介護タクシー利用者からの苦情・クレームにはどのようなものがあるのでしょうか。ジャンル別にまとめてみました。

  1. 介助サービス・技術に関すること
  2. 利用料金に関すること
  3. 接客サービス・応対に関すること
  4. 運転技術に関すること
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移乗や乗降介助が十分ではなかった、料金について詳細の説明がなかった、言葉遣いや態度が悪かった、運転が荒い…などなど。苦情の内容はさまざまです。これらの苦情・クレームは一部の介護タクシー事業者側の対応が原因で、あらためるべきところがほとんどですが、介護タクシー事業者と利用者の間で事前に必要なポイントを確認しておけば苦情・クレームに発展しないケースもあります。

確認しておきたいポイント

介助して欲しいこと

利用者やその家族が必要としている介助はどんなことなのかを考えてみる。家の前まで家族が連れていける、行き先でも降りた後は介助は不要。という場合は、UDタクシーを利用するという選択もあります。

介助の内容と料金

介護タクシーのホームページやパンフレットに記載されている「基本介助料」「介助料」の内容と料金は事業者によって異なります。事前にサービスの内容と料金を確認しておけば、付き添いの方が「これなら私にもできたのに…。」という思いにならずに済みます。

運賃の種別

介護タクシーの運賃体系は一般タクシーに比べ事業者が柔軟に選択できるのが特徴です。距離運賃、時間距離併用運賃、貸切運賃などがあり、利用する距離、時間によって料金も異なります。例えば短距離、短時間の移動に貸切運賃を適用されると、距離運賃に比べ大きな差がついてしまうことになります。

利用する前に理解しておきたいこと

介護タクシーを利用する前に利用者が理解しておきたいこともあります。介護タクシーという交通機関について理解することで、みんなが気持ちよくお出かけできるようになります。

車両設備の操作はドライバーの仕事

たとえば車いすやストレッチャーを車両に乗せて固定する場合や、立位可能な方へのドア開閉などの身体乗降介助については介護タクシードライバーの仕事になります。事故防止のためにも車両への乗降、設備の使用については必ずドライバーに任せましょう。この部分がおもに「基本介助料」として計算されます。

人手が必要な介助で「私が手伝うから」はダメ!

室内や施設内で階段移動が必要な場合など、スタッフが2名以上必要な場合は追加の介助料(「応援介助料」「特殊介助料」などといいます。)が必要になります。ご自宅や施設の状況によって必要人数、それにより料金も異なります。ですが付添のご家族などから「私が手伝うからスタッフ1名でいいです。」と言われても対応できません。

もしご家族に手伝ってもらって、万が一転落などの事故が起きた場合に利用者にもご家族に対しても責任を持つことができなくなります。また、できると思ったけどやってみて「やっぱりできない。」と言われてしまうと、そこから応援を呼ぶことになってしまいます。最悪の場合、移送ができなくなってしまいます・・・。

苦情・クレームは各地域の運輸支局輸送担当へ相談

お出かけしたい、させてあげたい。という利用者とそのご家族にとって、介護タクシーの対応によって悲しい思いをすることもあります。私たち利用者が介護タクシーを正しく利用していても、苦情・クレームの相談する必要がある場合は、国土交通省管轄の各地方運輸局で、その介護タクシーが所在している地域の運輸支局輸送担当へ相談してみましょう。

>> 各地域の運輸支局はこちらから検索(国土交通省HP)

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楽しくお出かけしたいから

個々の事業者や配車センターに話をしても、しっかりと声が届かない場合があります。もちろん、しっかりクレーム対応しているグループもありますが、私たちがそれを見極めるのは難しい話です。また、口コミサイトも利用者になりすました事業者同士の誹謗中傷の場になってしまっていることがありますので、残念ながらきちんと相手に伝わるか疑問です。

お礼や応援はドライバーの励み

一般タクシーには「エコーカード」というハガキが車内に設置されていることがあります。ここに書かれたものは苦情・クレームだけでなく、ドライバーへの感謝の気持ち、応援コメントも届けられます。それがとてもドライバーの励みになるそうです。

介護タクシーにもこのようなサービスがあれば良いのですが、現状はまだありません。介護タクシーへのお礼や応援コメントなどを介護タクシー案内所へお寄せいただければ、この「介護タクシーコラム」のコーナーで紹介していきたいと思います。みなさまの投稿をお待ちしております。

>> お礼・応援の投稿は「お問い合わせ」からぜひお願いします!

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著者紹介

滝口 淳(ライター)
タクシー業界の片隅で仕事をしながら、介護福祉タクシー情報の分かりにくさを実感。障がいを持つ子どもの親として情報サイトの立ち上げを企画。現在取材活動中。

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