介護タクシーコラム
介護予防vol.1 要介護になってしまう原因
みなさん、初めまして。介護タクシー案内所で「介護予防」についてコラムを担当させていただく藤田です。こちらのコラムでは、「将来、介護を必要としない為に」大切な内容を全6回に分けてお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
さて、第1回目は「要介護になってしまう原因」についてです。
目 次
自己紹介します
藤田 朋子(ふじた ともこ)
千葉県松戸市生まれ。管理栄養士・健康運動指導士
幼いころから体育が苦手だったが、公共運動施設の運動指導員として働く中で、運動の良さを認識。26歳の時、小学生の頃から飼っていた愛犬の認知症介護と死をきっかけに、介護者の負担の大きさに気付く。
以後、介護予防に目覚め、高齢者指導中心に携わるようになるが、特定保健指導も行う中で、本当の介護予防は若い世代から始まっていることにも気付き、「将来、介護・看護を必要としない身体作りを広める」をコンセプトに活動中。
「要介護状態」とは?
「要介護状態」とは、基本的な日常生活や身の回りの世話において、一部またはほぼ全てに介助が必要な状態を指します。介護度が上がると同時に介助が多くなり、自力では食事や排泄、着替え、入浴などといった日常生活が困難な状態になってしまいやすくなります。
そのうち問題行動や認知機能の低下も認められ、最終的には寝たきり状態(自力での立ち上がりや歩行困難)になりやすくなります。
「要介護」になる大きな原因の一つは運動器の機能低下
要介護になってしまう原因として多いものが、高齢による衰弱(13.4%)、骨折・転倒(11.8%)、関節疾患(10.9%)です。これらの原因は「運動器の機能低下」よってもたらされることが多いのです。
運動器の機能低下は適切な運動を適度に行うことによって予防できると言われていますので、ぜひ運動習慣をつけていただきたいと思います。
介護予防の5本の柱
運動器の機能低下予防を含め、介護予防には以下の大きな5本の柱があります。これらは、一つ一つが独立しているわけではなく、すべてが密接に絡んでいます。(下の図をご覧ください)
- 運動器の機能低下予防
- 低栄養予防
- 口腔機能の低下予防
- 認知症予防
- うつ・とじこもり予防
運動習慣をつけること以外にも、食事に気を付けたり、口腔機能を保ったり、社会や他人との関わりを持ち続けることも、介護予防において非常に大切な役割を果たしています。
生活習慣病が介護を受けるきっかけにもなる
脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患(18.5%)や認知症(15.8%)なども「運動器の機能低下」と同じくらいの割合で要介護になってしまう原因になります。
赤字の項目や囲ってある部分、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が要介護状態になる原因であることが多く、栄養バランスを無視した食生活や運動不足、喫煙やストレス、休養不足などの好ましくない生活習慣を長年続けてしまうことが大きな危険因子となります。
介護予防は高齢者だけの問題ではない!
生活習慣病は、長年の好ましくない生活習慣の末に発症してしまうことが多く、だいたい40歳を過ぎたころから増加していきます。
この生活習慣病は、遺伝や体質も絡んでくる場合もありますが、出来るだけ若いうちからバランスの良い食生活、適度な運動、規則正しい生活を送り続けていけば、概ね予防・改善できると言われています。
つまり、介護予防は高齢者だけの問題だと思われがちですが、実はもっと若い世代から始まっているのです。ぜひ「自分にはまだ関係ない」と思わず、将来介護を必要としない人生を送り、1日でも長くいきいきと生活される為にも自身の生活習慣などを見直していきましょう。