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介護タクシーコラム

第49回 国際福祉機器展(リアル展)に行ってきました!

介護・医療

第49国際福祉機器展看板

342社(Web展のみを含む)が出展した第49回 国際福祉機器展は、昨年に引き続きリアル展とWeb展のハイブリット開催となりました。リアル展(10/5~10/7)の会場となった東京ビッグサイトの最終日は雨の強い1日でしたが、最新の福祉機器を自分の目で確かめようと、多くの人が来場していました。

操作性が向上した日産自動車の車いす固定装置

日産キャラバンリフト

日産自動車は福祉車両ライフケアビークルからワンボックス・ミニバン・軽ワゴンと3車種を出展。キャラバン、セレナ、ルークスが展示されていました。

デモンストレーションでは車いす乗降がおこなわれ、キャラバンでは車いすの固定の仕方、セレナではスロープでの乗降を丁寧に説明していました。

分離するフックで操作性が向上

車いす固定装置

新しい車いす固定装置(日産HPより)

車いす固定装置は、昨年10月に改良し、操作性が大幅に向上しました。2か所にフックを掛けるだけで固定できる機能はそのままに、一体型のフックを必要な時に分割でき、4点固定ができるようになっています。フックの分離は簡単で、分離させたまま格納することもできます。

車いすの固定から解除後の格納がよりスムーズなったことで、介護タクシーに導入されればケアドライバーと利用者双方の負担も軽減されるでしょう。

福祉車両ルークス

軽ワゴンのルークスには、シートが回転し車外へ降りてくるスライドアップシートがついており、こちらも多く人が興味深そうにスタッフの説明に聞き入っていました。

日産では定期的に福祉車両のオンライン相談会を開催しています。家にいながら、専門のスタッフに相談できる良い機会です。ご興味のある方はぜひ。

日産オンライン相談会

 

手動運転装置を搭載したマツダの車

同じく福祉車両で出展のマツダは、手動運転装置を搭載したMAZDA MX-30 Self-empowerment Driving VehicleとMAZDA ROADSTER Self-empowerment Driving Vehicle。誰もがどこまでも自由に走っていける、そんな疾走感のある車でした。そして、その車を取り巻く車いすユーザーたちのアクティブで熱い視線が印象的でした。

MAZDA MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle の紹介動画

移動機器ブースへ出展したトヨタ

トヨタの開発試作品

トヨタ自動車は福祉車両のブースではなく、車いすなどの移送機器での出展でした。出展の製品は現在開発中のもので、C+pod plus Concept(シーポッドプラス・コンセプト)・JUU(ジェイユーユー)・車いすワンタッチ固定装置装着車です。

開発中のシーポッド福祉車両

1人乗り福祉車両C+pod plus Concept

C+pod plus Conceptは超小型EV車のC+podを1人乗りの福祉車両へ改造したのもです。車と車いすの移乗に車いすの積み込み、すべて車いすユーザー1人で行えるようになっています。そして車を降りた後は、立ち乗りEVのC+walk Tと車いすを連結すると、電動車いすとして使用できます。

目的地までの移動と到着後の移動を快適に行える製品とあって、どちらの製品も車いすユーザーの注目を集め、操作するスタッフの周りには人だかりができていました。

トヨタの開発中車いすjuu

電動車いすJUU

JUU(ジェイユーユー)の名前は「自由」に由来しています。走破性と安全性を備えた車いすということで、階段が登れてオフロードもOKな車いすです。とてもスタイリッシュで、近未来的なデザインでした。

車いす固定の時間が数秒に

トヨタハイエース

車いすワンタッチ固定装置装着車

車いすワンタッチ固定装置装着車は、介護タクシーでもよく使用されているハイエースでした。リフト部分に車いすを乗せる際、4か所を手動で固定していたのを、ワンタッチでできるようにしたものです。ワンタッチというだけあって、スタッフの操作では数秒で車いすが固定されていました。

ハイエースはブースの壁際にありましたが、常に多くの人がスタッフへ説明を求めており、関心の高さがうかがえました

車椅子簡易固定システムの市場浸透と普及

車いすワンタッチ固定装置は車いすを固定する時間を大幅に短縮できることから、路線バスへの導入を検討する動きがあるようです。この固定装置では車いすの下にバーが必要ですが、全ての車いすにそうしたものがついているわけではありません。そこで、経済産業省が推進する車椅子の自動車等へのワンタッチ固定機器に関する国際標準化事業と連携し、ISO(国際標準化機構)に規格化を提案する「車椅子簡易固定システム」の早期市場浸透と普及を目指すため、国内にある車いす、車いす移動車、バスを開発製造するメーカー12社が協力して、2022年4月に車椅子簡易固定標準化コンソーシアムを設立しました。

短時間で車いすを固定できる装置があれば、車いすユーザーが利用できる交通手段が増えることでしょう。外出の機会が増えることは生活の質の向上に有効です。早く広く普及することが望まれます。


福祉機器展会場

今回、出展された福祉車両を含む移動支援の製品は、誰もがより安全に快適に外出するためにその機能を大きく向上させたものでした。それらに見入る人たちは熱気に満ちあふれていて、出展社、来場者ともに外出への強い思いを感じる展示会でした。

リアル展は終わってしまいましたが、Web展は11/7まで開催しています。

国際福祉機器展Web2022

黒猫

著者紹介

編集部 C子
両親も後期高齢者の仲間入りを果たし、介護の入口に立っているAround50。子育てと仕事に奮闘中。

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