fbpx

介護タクシーコラム

おでかけ認知症カフェvol.3 ~神奈川編~

お出かけ

cafe03_01

「認知症カフェ」は、第一に認知症のある人、その家族たちによる交流の場ですが、地域住民同士(当然、認知症のある人も地域の一員です)の出会いの場としても期待されています。そのため、すべての「認知症カフェ」は基本的に誰でも参加できるとされています。

まだ「認知症カフェ」を体験したことがない人にもその魅力を知っていただくために、「学び」「体験」「ランチ」という切り口で3つのカフェを取り上げます。もし興味を惹かれたら、ぜひお出かけください。

Nice to meet you!「英語 de カフェ」

開催日時

第1火曜 10:00〜12:00

開催場所

神奈川県川崎市宮前区鷺沼1-11-14 鷺沼パレス406

参加費

100円

問い合わせ

044-976-9590

英語であいさつできますか?

過去2回の記事では、いわゆる講座型の「学びカフェ」を紹介してきたので、今回は少し違うタイプです。川崎市宮前区の「鷺沼」駅から徒歩2分ほどのマンションで開催されているのは、参加者が英語で会話する「英語でカフェ」。はじめの自己紹介と一言あいさつから、英語でしゃべるよう促されます。さあ勇気を出して「ないすとぅーみーちゅー!」

人生経験豊かなイケオジさまたち

「英語でカフェ」は、かつて海外に赴任していたビジネスマンたちが、リタイヤしたあとも得意の英語を忘れないようにと始まったそうです。日本の高度成長を支えた世代の参加者は、おしゃれで博識なイケオジさまたちが中心。誰かの話題を全員でグイグイ広げていくので、10人程度の自己紹介でもなかなか終わりません。

微笑みのファシリテーター

地域包括支援センターと共にカフェを主催するのは山下みゆきさん。看護師であり心理カウンセラーであり、様々なポランティア活動にも携わってきた方です。時に和服で、時にインド風の衣装でカフェに登場し、場を明るく盛り上げる、微笑みのファシリテーター。英語が得意でないワタクシのような参加者にも、優しくサジェストしていただけます。

入り口に段差があるので車椅子の方は相談を

会場となるマンションは、エレベーターはあるものの、エントランスに階段があり、車いすの方はお手伝いが必要です。事前に分かればカフェのみなさんが手を貸してくださるということですので、遠慮なくご連絡ください。

cafe03_02

奥に座るイケオジさまたちが博識ぶりを披露する

cafe03_03

山下みゆきさんが音遊びの動きを実演してみせる

cafe03_04

マンション外観 入り口に段差がある

若年性認知症の方々が活躍する「Sカフェ」

開催日時

第2火曜 11:00〜13:30

開催場所

神奈川県横浜市港北区鳥山町1735 横浜市総合保健医療センター

参加費

コーヒー100円

問い合わせ

045-475-0105(新横浜若年性認知症の人と家族の会「SJNK」 横浜市総合保健医療センター 村井さま)

新横浜にある精神保健医療の総合拠点

毎月第2火曜日に開催される「Sカフェ」は、新幹線の駅として知られる新横浜駅から歩いて10分ほどの、横浜市総合保健医療センターで行われます。このセンターは、横浜市内における若年性認知症の診断やケアに強みを持つ支援の拠点であり、そこに通っている若年性認知症と診断された方がカフェを運営します。ちなみに「Sカフェ」の「S」は、「Shinyokohama(新横浜)」の頭文字だそうです。

ハンドドリップで一杯ずつ淹れられるコーヒー

提供されるコーヒーはこだわりの一杯。まず豆は、地元の専門店で特別にブレンド、焙煎されたものを使い、注文を受けてからお客さんの眼の前で丁寧に淹れていきます。ドリップ担当の男性は、高校生の頃から自らサイホンを使いこなしていたほどのコーヒー好き。いまはハンドドリップのコツもつかんできたそうです。

昼休みには職員や外来患者らが行列をつくる

香りとコクに優れた美味しいコーヒーは大人気です。昼休みになり、館内アナウンスで「Sカフェ」の開店が告げられると、職員らがコーヒーを求めて行列を作ります。なかには外来の患者さんたちの顔もあり、1日40人ほどがやってくるそうです。昼休みの時間を外すと、忙しさもひと段落するので、当事者の方とお話もできます。

バリアフリーについて

横浜市総合保健医療センターは大きな駐車場を備えた施設です。建物内も完全バリアフリーで、カフェの開催場所は入口近くの1階ロビー。どなたでも心配なく来ることができます。

cafe03_05

エントランスからすぐの1階ロビーで開催されている

cafe03_06

ハンドドリップで丁寧に淹れられるコーヒー

cafe03_07

横浜市総合保健医療センター外観 奥に日産スタジアムがある

くらしとケアをつなぐ常設型カフェ「しろいにじの家」

開催日時

月曜〜金曜、10:00〜15:00

開催場所

神奈川県横須賀市鶴が丘2-3-9

参加費

無料(飲食は実費)

問い合わせ

046-874-8118(しろいにじカフェ)

丘の上の常設型カフェ

JR横須賀線「衣笠」駅から北側の丘を上がった住宅街に、ワニと猫の絵が描かれた不思議な一軒家が現れます。こちらでは、居宅介護支援事業所である「三輪医院くらしのケアサポートセンター」と、看護師ら医療関係者が常駐する「三輪医院くらしのリエゾンステーション」と、「しろいにじカフェ」が一体として運営されており、合わせて「しろいにじの家」と呼ばれます。

くらしとケアが重なる場所

「しろいにじの家」は、地域の人々の暮らしと、医療・介護のサービスの重なり合う場所として考えられています。普段は様々な講座や趣味のサークル活動の拠点として地域の人々に利用されていますが、常駐する専門職にいつでもどんな相談でもできるようになっています。また急速に高齢化が進む横須賀市の現状に即して、在宅介護、在宅看取りの支援拠点にもなっています。

毎週水曜・木曜と第2&第4金曜にはランチを提供

月曜から金曜まで基本的に平日は毎日オープンしている「しろいにじカフェ」ですが、毎週水曜と木曜は限定20食でランチも提供されます。普段不足しがちな野菜をふんだんに使ったメニューが特徴で、管理栄養士の方が高齢者のフレイル予防などを考えています。なお第2金曜は、横須賀らしくカレーランチ、第4金曜はおたのしみランチとなります。

スロープがあり車椅子でも利用可

「しろいにじの家」には専用駐車場があり、さらに入り口がスロープになっているため、車椅子での利用も容易です。ただしエレベーターがないため、サークル活動のために2階を利用する場合はあらかじめご相談ください。

cafe03_08

しろいにじの家外観 入り口はあえてスロープのみとなっている

cafe03_09

金曜に出されるカレーランチの一例 これで500円

cafe03_10

明るく居心地の良いカフェの内観

おでかけ認知症カフェvol.2 ~東京多摩・埼玉編~ を読む

kosuga

著者紹介

コスガ 聡一(フリーランスカメラマン)
2011年頃より製薬企業をクライアントとする広報物など、認知症分野のポートレイトや取材写真を担当。2016年に、個人の活動として『全国認知症カフェガイドon the WEB』を立ち上げ、全国の認知症カフェに関する情報を収集、発信しはじめる。これまで訪れた認知症カフェは、北海道から沖縄県まで約120カ所に上る。

全国認知症カフェガイドon the WEB

コラムカテゴリ