ドライバーインタビュー
【経営者インタビュー】かりゆしタクシー 高良さん
はるばる沖縄県宮古島市にやってきました。介護施設が主に送迎で運行する福祉限定タクシーを除いて、島内で唯一(取材当時)介護タクシーを運行している、合名会社かりゆしタクシー(まるちくグループ)の代表社員、高良 塁(たから るい)さんにお話を伺いました。
一般乗客も利用できる福祉兼ジャンボタクシー
介護タクシー事業を始めたきっかけを教えてください。
宮古島のタクシーは観光客利用が需要の大半を占めています。観光客のなかには車いす利用者は足腰が不自由な方もいらっしゃるので、その方たちが便利に利用できる車両として2017年に導入しました。
一般的な介護タクシーと同じで福祉輸送事業限定のタクシーなのでしょうか?
いいえ、福祉輸送事業限定にしてしまうと一般のお客様だけの利用は受付できなくなるので、限定ではない一般タクシーの認可を受けて介護タクシー兼7人乗りのジャンボタクシーとして運行しています。
タクシーはみんなの夢を乗せて走る乗り物
かりゆしタクシーのセールスポイントを3つあげてください。
まず今のところ島内唯一の介護タクシー(取材当時)というところでしょうか。福祉限定を含め介護タクシー専門で運行しているのは当社のみです(取材当時)。次にヘルパー2級(現:介護職員初任者研修修了)の資格を持ったドライバーが対応しているということですね。
それは福祉限定の介護タクシーと同じで安心ですね。3つ目のセールスポイントはこの車両ですかね?
確かにそうですね。私たちは「タクシーはみんなの夢を乗せて走る乗り物」だと考えています。この絵は地元のひよどり保育園の園児たちに自分の夢を車体に書いてもらったものです。普段車に絵なんか書いたら怒られるじゃないですか。小さい子どもにとっては車に絵を描くこと自体がひとつの夢なんです。
園児たちの夢がたくさん詰まったタクシーが宮古島を走っているのですね。おもしろい!
介護タクシーの利用者は高齢者が中心なので、みなさんに喜んで頂いています。直接マジックで描いているので時間の経過で色褪せてしまっていますが…(苦笑)。
効率よく配車対応するために
利用者はどのような方が多いのでしょうか?
島内の方は通院・通所利用の高齢者、あとは宮古島に観光で訪れる車いす利用の方、定期的に入港するクルーズ船(大型客船)のお客様です。ご家族の中に車いす利用者や体の不自由な方がいる時などは指定で配車依頼があります。
でも1台しかないと、どうしても対応できない時もありますよね?
そうなんです。予約が重なってしまい、応えられないこともあります。そこで急な予約にも対応できるように配車受付センター以外にドライバー直通電話を用意しています。少しでもお困りの方のお役に立てればと思っています。
修学旅行のバスを追走
やっぱり1台を効率よく回すことが重要になってきますよね…。ではお客様とのエピソードで印象に残っていることはありますか?
私は実際に乗務しているわけではないので細かいことはよく分かりませんが、修学旅行で車いすの生徒さんを担当したことがありました。その時は修学旅行のバスを追走して、全日程を一緒に移動しました。修学旅行前にケガをして歩けなくなったから旅行を諦めなきゃならない、と思っている方に当社の介護タクシーをぜひ利用して欲しいですね。
自社の利益よりもまずお客様の利益を
では最後に利用を検討されている方へひとことお願いします。
かりゆしタクシーが加盟しているまるちくタクシーグループは、お客様の様々な要望に応えるためにできる限りの体制を整えています。現在介護タクシーは1台ですが、どうしたらお客様が便利になるかを最優先に営業しています。
宮古島は自然が豊かで人の心が温かい場所です。私たちが丁寧にお応えしますので、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。
高良さんは日に焼けて体格ががっちり、まさに「島人」という印象でした。少し控えめな言葉の中にも、お客様第一という思いの強さと優しさを感じました。どうすればお客様が便利になるのか。終わりのないテーマですが、途切れることなくこの気持ちを持ち続けて欲しいです。