介護タクシーコラム
救命救急のシンボルマーク「スターオブライフ」
このマーク、ご存知ですか?
街中では救急車や介護タクシー、海辺ではライフセーバーが身につけているものなど、どこかで目にしたことのある人は多いと思います。このマークは「スターオブライフ」といって、世界共通の救急救命のシンボルマークです。
スターオブライフは、赤十字との類似を避けるため1973年、アメリカ合衆国運輸省幹線道路交通安全局 (NHTSA) によりデザインされました。
デザインについて
真ん中にある蛇が巻き付いている棒のようなものは「アスクレピオスの杖」といいます。 アスクレピオスはギリシャ神話に登場する医術の技で死者すら蘇らせ、後に神の座についたとされる名医です。そのアスクレピオスが持っていた「アスクレピオスの杖」が医療・医術の象徴として世界的に広く用いられているシンボルマークとなりました。
そして「アスクレピオスの杖」の周りに放射状に出ている6本の柱には、頂点から時計回りに以下のような意味があり、救命救急の基本プロセスを表しています。
- Detection(覚知)
- Reporting(通報)
- Response(出場)
- On Scene Care(現場手当)
- Care In Transit(搬送中手当)
- Transfer to Definitive Care(医療機関への引渡し)
このマークには医の守護神アスクレピオスの加護と人命を救いたいという救急救命に携わる人々の願いを感じます。
スターオブライフの広がり
アメリカを中心にカナダやヨーロッパなどで救命救急活動の現場で使用され広く認知されている「スターオブライフ」ですが、日本でも救急車の車体やドクターヘリなどにこのマークがみられることが多くなってきました。民間救急にも対応している介護タクシーの車両にもこのマークはよく見られます。
また、救命される側として広がりつつある「Medical ID」などと呼ばれる既往症、薬、アレルギーおよび個人情報等を刻印したタグやブレスレットなどにもこのマークが使われています。
画像出典:スターオブライフライセンス事業局
社会貢献としての意義
現在、スターオブライフのマークは株式会社櫻井興業が商標権を持っています。使用には許可が必要です。このライセンス使用料の一部は、赤十字社や国境なき医師団、ライフセービングクラブなどの、救命救急、人命救助、被災地復興などに携わる団体に義援金、物資提供、ボランティア支援として寄付されています。
スターオブライフという世界共通のシンボルマークを掲げることは社会貢献のひとつといえるのではないでしょうか。