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介護タクシーコラム

国土交通省へ行ってきた(第3回)

タクシー

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国土交通省にはA4用紙2枚に質問事項をまとめて訪問したのですが、中にはトンチンカンな質問内容もあり、自動車局旅客課の担当者にはご迷惑をおかけしました。介護タクシーについてもう少し勉強してから行けば良かったと反省しつつ、最後に福祉輸送事業に関する今後の取り組みや課題について、意見交換させていただきました。

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限定解除で公共交通空白地域や緊急時に一般タクシー業務を補完

今後、過疎・高齢化が進む地域で営業する介護タクシーが一般タクシーと連携して業務を行い、インフラ不足を補完する。または事故などで電車の運行が停止した時などの緊急時、一時的に一般タクシー業務の応援業務を行なう。駅から自宅などの近距離輸送であれば施設・病院移送の待機時間で何回かの輸送が可能ではないでしょうか?

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電車が止まるとできるタクシー乗り場の大行列

旅客を限定している福祉限定タクシーではそのような業務なできない。ただし、福祉輸送事業限定の介護タクシーが「限定解除」(一般タクシーと同様の業務ができるように)すれば、対応できるようになる。諸条件をクリアする必要性があるので、地域の運輸支局や運営協議会(または地域公共交通会議)と事前に協議する方が良い。

UDタクシーと介護タクシー(福祉輸送限定事業)の棲み分け

介護タクシーとこれから増えてくるUDタクシーの棲み分けはどのような部分で明確化されていくのでしょうか?

UDタクシーは基本的に誰でも乗ることができるタクシーで、ユニバーサルドライバー研修を修了した運転手(UDタク1台につき3名)が対応する。車両から離れた部分の介助には対応していない。そこから先は各社の責任のもと対応することになる。その部分に料金を発生させることについて(福祉輸送事業限定の介助料金と同様に)国交省では特に規制を設けていない。ただし、別の法令に関係する場合があるので注意が必要だ。

利用者の利便性を考えると受注センターが必要

移送の引き受けについて、個人事業主の場合、移動中に携帯電話などで依頼を受けることになり「運送の引き受けを営業所において行う輸送に限る。」というルールに沿っていないとも解釈できますが…。

現状は携帯電話での運送引き受けについてルール違反という解釈はしていない。ただ予約受付時に車両を停車するなど、安全な状況で受電できているかという点において確認していく必要がある。今後、車両台数が増えていくことが予想されるが、事業者団体を組織して事務局などで受注業務を行っていくことが望ましい。

同じエリア内でも利用料金が大きく異なる

適用運賃、介助料金、資器材の使用料金など、地域や事業者によって料金に大きな差が発生していて、利用者に分かりづらい状況になっています。この点については今後改善していく予定はあるのでしょうか?

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基本介助料金でも無料~およそ1,000円の差がある

介護タクシー事業者が設定できる運賃を「ケア運賃」というが、一般タクシーと同じ自動認可運賃以外の設定(時間制、変動制、定額制 など)ができて、運賃の割引、料金の設定については輸送実績に応じて弾力的に取り扱うものとしている。また介助料金、資器材の使用料金など旅客運送に直接伴わない料金については認可も届け出も不要となっている。

利用料金の違いで利用者が混乱してるという現状も理解しているが、事業者によってコスト構造が異なるので行政で料金を整理することは難しい。事業者は過当競争に陥らず、利用料金以外の価値で介護タクシーを選択できるよう健全な市場を作って行って欲しい。


取材を始める前に「分かりにくいなぁ」と思っていたことが頭の中で整理はされましたが、弾力的に対応する代わりに守るべきルールがある。とは言っても結局制度が曖昧になっているように感じました。介護タクシーの制度をある程度理解したうえで、私なりに考えた利用者の心得は、

  1. 利用する前に事業者にしっかり相談する。
  2. 納得できる回答がなかった場合は地域の運輸支局に相談する。
  3. 最後まで親身に対応してくれる事業者を選ぶ。

この3点に尽きるのかな。と実感しました。超高齢化社会で需要が広がる介護タクシー。開業する事業者も軒並み増えてきていますが、2年の更新を待たずに廃業する事業者も後を絶ちません。利用者の立場で考えると、信頼できる事業者と長くお付き合いしていきたいと思うのが当然です。利便性の向上はまだまだこれからといった感じでしょうか。

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著者紹介

滝口 淳(ライター)
タクシー業界の片隅で仕事をしながら、介護福祉タクシー情報の分かりにくさを実感。障がいを持つ子どもの親として情報サイトの立ち上げを企画。現在取材活動中。

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