ドライバーインタビュー
サンタクルーズ 秋草さん
2018年5月に営業開始した、緑のサンタクロース(愛称:ほっこりサンタ)が可愛らしい神奈川県横浜市のサンタクルーズのドライバー、秋草さんにお話を伺いました。サンタクルーズは「ほっこり」をキーワードに、お出かけ系の介護タクシーを目指して営業している介護タクシーです。
目 次
第二の人生は自分で事業を
介護タクシーのドライバーになられたきっかけをお話しください。
前職で定年を迎える前に、第二の人生は自分で事業を始めようと決めていました。そんな中である新聞でセカンドキャリアで活躍する人たちの特集を見つけたんです。介護タクシーを始めた方の記事を見て、自分も介護タクシーをやってみよう。と思ったのがきっかけです。
設立した会社、サンタクルーズ合同会社の代表は奥様ですよね?
はい。妻はもともと臨床検査技師として医療の現場で高齢者に関わることが多く、両親の介護経験もあるので、一緒に始めることを決めました。実際女性が代表でお客様に対応する方が印象も柔らかくて良いですからね。
お客様に「ほっこり」するひとときを過ごして欲しい
2018年5月からの営業開始ということですが、開業の準備も含め最初は大変だったのでは?
介護タクシー乗務に必要な資格を取得したあと、自分はこの仕事に本当に向いているのかを知りたくて先輩事業者のもとで働きました。3事業者で働きましたが、最後にお世話になった先輩事業者には開業に必要な実務を勉強させてもらいました。開業後は周辺の病院や施設への営業で反響を見て、次の段階としてインターネットでの告知を始めました。
介護タクシー案内所もそのひとつでなんですね(笑)。これからサンタクルーズをどんな会社にしていきたいと思っていますか?
ご本人だけでなく付き添いで乗車されるご家族、ヘルパーさんなど日頃の介護で忙しい皆様にとって、移動の時間だけはゆっくりと時が流れるような、リラックスした時間を過ごしてもらいたいと思っています。
「ほっこりするひととき」を提供すること。1日が24時間ではなく48時間だと思えるほどのゆとりを感じでいただける、そんな介護タクシーにしていきたいと思ってます。
料金は分かりやすく明朗に設定
お客様に便利で快適に利用していただくために工夫されていることはありますか?
お客様に対する動作の「声かけ」です。私は介護職員初任者研修だけでなく、実務者研修も修了しました。当たり前のことではありますが、資格研修で身についた声かけでお客様の不安を少しでも取ることができるよう心がけています。
運転面ではカーブ、坂、段差などに気を配っています。車いすは通常のシートより横Gがかかるので、特にカーブは気を付けています。
基本を大切に、ということですね。あと、ご予約いただくまでで気を付けていることは何かありますか?
ズバリ料金です。とにかく料金を分かりやすく明朗に、それだけを考えて設定しました。事前にインターネットで複数の事業者の料金を見比べてそう思いました。地域によっても違いがあったのでそのあたりも注意しました。
お出かけ系介護タクシーを目指して
車両は乗車定員7名(運転者+車いす+5名)にしていますが、理由を教えてください。
普通、この車種(トヨタ ノア)だとサードシートを片方外して定員5名にしている介護タクシーが多いと思います。サンタクルーズでは車いすを中央にしてできるだけたくさんの同乗者が乗車できるように、あえて大型での登録を選びました。車いすのお客様とご家族、お友達同士の旅行やお出かけに使ってもらいたいです。
車いす利用に特化した仕様でお出かけ対応に力を入れていくということですね?
はい。もちろん、通院や通所でのご利用も大歓迎ですが、お買い物やお食事、美容院、観光や旅行などに力を入れています。貸出し用の車いすも行き先とお客様の状況に合わせて対応できるように3種類用意しています。
お出かけに+αを提供できるサンタクロースになりたい
なるほど。車いすを囲んで家族や友達と楽しく会話できる、そんな雰囲気がイメージできるレイアウトですね。では最後にサンタクルーズの利用を検討されている方にひとことメッセージをお願いします。
サンタクルーズのコンセプトは「ほっこりするひとときの提供」です。ご利用者だけでなく、介護するご家族の気持ちにも立って営業しています。タクシーなので物品をプレゼントすることはできませんが、福祉用具や介護リフォームなど生活に役立つ情報や心温まるひとときを、サンタクロースのようにプレゼントしていきたいと思っています。
横浜北部エリアを中心に神奈川県にお住いのみなさま、お出かけに+αを提供する緑のサンタクロース、サンタクルーズをどうぞよろしくお願いします。
エンジニアというと気難しいイメージがありましたが(私の偏見?)、秋草さんはとても人当たりが良く、清潔で爽やかな印象に好感が持てました。屋号のサンタクルーズの「クルーズ」には、高齢者や体の不自由な方にも観光や旅行など、お出かけを楽しんでもらいたいという意味が込められていると教えてくれました。
1年後、緑のサンタが街の人気者になって走っている姿を見に、またサンタクルーズを訪問してみたいと思いました。
インタビュー後日談
サンタクルーズは会社設立から介助犬の育成を継続的に支援していて、今年6月には育成団体へ寄附をされたそうです。介助が必要な方のことをさまざまな視点から考え、行動する姿勢に感心すると同時に、「ほっこり」した気持ちにさせてもらいました。