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介護タクシーコラム

介護タクシーのお仕事紹介 ~メディックライン~

タクシー

空港搬送

はじめまして。神奈川県横浜市の介護タクシー、メディックラインの平田と申します。今日は介護タクシー案内所をご覧の皆様に、介護タクシーのお仕事について紹介したいと思います。皆さんをお迎えに行く前、お送りした後に私たちが何をしているのか、ちょっと覗いてみてください(笑)

横浜市は車とドライバーが圧倒的に足りない

僕がこの仕事を始めた頃(2013 年)にはまだ「介護タクシー」という業種はほとんど認知がなく、車も軽自動車やミニバンが多かったように思います。ここ数年で需要も格段に増え、介護タクシー事業者も徐々に増えてきました。嬉しいことに自分の仕事ぶりを見て、サラリーマンを卒業して開業する後輩も何人か出てきました。

ただ、僕の住まいの横浜市に限ってでの話になりますが、圧倒的に需要に対する供給が足りていないと感じています。移動にお困りの方に十分なサービスを提供するにはもっと介護タクシーが必要なのです。

介護タクシードライバーのある1日

介護タクシーは、日々異なる依頼に対応しているので1日として同じ仕事はありません。ここではとある平日の動きを切り取って書き留めてみます。

前日 夕方(仕事終了時)に翌日の予約、スケジュールを最終確認
7:00 起床
天気予報の確認、当日スケジュールの再確認(1件目は8:30お迎え)ガレージにて車両・機材の点検、車両の簡単清掃(夜露や雨痕などの窓ガラスの汚れなど簡単に拭き掃除)
車両と設備の点検
7:30 さぁ出庫!
8:00 1件目のお迎え先(施設)に到着(ご予約は8:30)→ 受付に声掛けして少し待機
※朝一番のご予約には 30 分ほど早めに到着するように出庫します。
8:30 施設 → A病院へ出発
ご利用者・山田様(仮名):施設から近くの病院まで車椅子での通院の往復です。施設で転倒して足を骨折、ご高齢のため手術は諦め、自然治癒での通院3回目。週1回のペースであと2ヶ月は通院予定だそうです。
9:00 A病院到着
目処がついた頃に帰りのお迎えの連絡をお願いする。
9:20 2件目のお迎え先(ご自宅)に到着(9:30予約)
ご利用者・佐藤様(仮名):エレベーターの無い団地の2階の部屋からの通院往復です。体重45kg位のおじいちゃんをベッドから車いすに移乗介助、そして団地の階段を1段ずつゆっくり下ろして車に乗車介助します。
階段介助
9:30 ご自宅 → B病院へ出発
10:00 B病院到着
目処がついた頃に帰りのお迎えの連絡をお願いする。
10:45 3件目のお迎え先(ご自宅)に到着(11:00予約)
ご利用者・鈴木様(仮名):個人宅から病院へ入院される、寝たきりのおじいちゃんです。容態をご家族に確認し、2階の寝室から車までの動線を確認して必要備品を準備。
まずは担架に移乗して、家の階段をスタッフと2人で1階までゆっくり下ろします。1階に準備しておいたストレッチャーに移乗してから車に乗車介助します。
おじいちゃん、少し辛そうですが、ゆっくり、声を掛けながら慎重に安全確保をしながら介助をします。
11:00 ご自宅 → C病院へ出発
11:30 C病院到着
精算中に今朝の1件目山田様のご家族から帰りの依頼連絡が入る。続いて2件目の佐藤様からも帰りのお迎えの依頼連絡が入る。現在地からの距離をみて自分は佐藤様の帰りのお迎えに向かい、山田様のお迎えには他の車を手配する(代行手配)
12:30 佐藤様の送迎完了
山田様のお迎えを依頼した代行のドライバーから送迎完了の報告を受ける。→ 15:00予約のお迎え場所近くまで移動開始。
お迎え場所まで移動
13:30 昼食(今日は大好きなお蕎麦♪)
そして車中でちょっと休憩…。
※タイミングによっては昼食時間もとれないのでコンビニおにぎりで済ます場合も。
15:00 本日最後のお仕事
ご利用者・高橋様(仮名):病院の緩和ケア病棟からご自宅まで帰宅される方からのご依頼、ご家族のご希望で終末期の患者様をご自宅で看取りたいと、長年住んでいたご自宅にお連れすることに。ストレッチャーでの搬送となります。
容態がいつ急変してもおかしくない患者様の搬送で、ドライバーとしてはとてもリスキーなお仕事なのですが、ご本人様の想いやご家族様の想いを大切に、いま自分ができることはとにかく安全にご自宅まで送り届けること。その一点に集中します。
ストレッチャー介助
16:00 無事に高橋様をご自宅のベッドまでお送りできてひと安心。本日の実業務は終了です。
※急な依頼もまだ発生するかもしれないので18:00頃まではいつでも電話に出れる体制をキープしておきます。
業務終了後 翌日のスケジュールを確認
明日は土曜日。お孫さんの結婚式に参列する車いすのおばあちゃんと付き添いご家族3名様を東京のホテルまで往復送迎です。天気予報は晴れ◎ 明日も頑張ろう!
椿山荘まで

本当に多種多様なご依頼がありますが、どのお客様からも「ありがとう。」と感謝の言葉をいただきます。それだけで励みになる。介護タクシーのドライバーはストレスフリーで人間らしく働ける仕事だと思います。

「人間丸くなったね」と言われることも…

どこの業種でも「人材不足」という声を聞きますが、介護タクシーも例外ではありません。認知度が低いことに加え、個人事業主が多く少しずつ性格の異なる業態が入り混じっているので、なかなか不透明な印象を拭えないのも要因かと思っています。

桜とおばあちゃん
お花見を楽しむグループホームのおばあちゃん
一緒に紅葉を楽しむ
お墓参りの帰りに紅葉の綺麗な庭園を訪ねて

介護タクシードライバーとは、最低限の資格ときちんとした知識、そして技術を備えてお客様の要望に誠実に応えるだけ。なのにこれだけ多くの「感謝」の言葉を頂く仕事なんです。サラリーマンを卒業してから「人間丸くなったね」と言われることもあります。サラリーマン時代には通勤電車内での無心な人の群れに日々ストレスを溜め込んでいました。

車いすの少年と写真撮影
カメラ好きの少年と日没まで
花嫁と車いすのお父さん
娘の結婚式に参列する闘病中のお父さん

人間らしく自分らしさを失わない

今では、たまに電車を利用する時に吊革に全体重をもたげて疲れ切っているサラリーマンを見ると、「介護タクシーやってみないか?」と声を掛けたくなる時もあります…大きなお世話ですけどね(笑)。いま胸を張って言えること…、6年前の自分の選択は間違ってなかったなと。

もちろん人によって向き不向きはあると思いますが、人間らしく、自分らしさを失わない職業の選択肢として、若い方にもっと介護タクシーの仕事を知って欲しいと心から願っています。


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平田さん

著者紹介

平田 和成(メディックライン代表)
横浜市生まれ。長年の船舶業界勤務を経て2013年にメディックラインを開業。いつも自身におきかえる視点を持ち続け、臨機応変なサービスを提供している。趣味はマリンスポーツ、釣り、登山など。

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